今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 311)みそラーメン

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専門店ではない、何でも出す定食屋さん。野菜炒め、焼肉などの定食類はもちろん、カレー、チャーハン、かつ丼、中華丼などの男メシもそろう。


そして麺類の部にはラーメン、タンメン、五目そば、チャーシューメンが居並ぶ。今日はあえてみそラーメン、そういえば食べたことなかったナ。


昼下がり、AM ラジオが静かに流れる店内はまったり。食事を終えた常連が、高齢の大将を気づかって、カウンターに下膳するのもこの店の風景。


カラカラ、奥でおかみさんが中華鍋を振る音に期待は高まる。ここは野菜炒めやタンメンの野菜の盛りがいいから、きっといいことがありそうだ。


やがてやってくる、みそラーメン。大将がわざわざ胡椒の蓋を開けて、そっと置いてくれた。みそには七味派でしたが、今日ばかりは胡椒派です。


タンメン同様、多くの野菜がのせられており、予想通りでにんまり。スープをひと口飲むと、サッポロ一番に似ていて、心底うまいと心が叫ぶ。


野菜炒めは、もやし、玉ねぎが多くて、スープにも甘さがしみでてる。麺はオーソドックスな黄色い細縮れ麺。おいしいな、素敵な昼下がりだな。


ビールが欲しくならない、私としては不思議なラーメン。野菜は歯ごたえシャキシャキで、麺をすするついでにズルリとはいかず、主張している。


麺、野菜、スープを三角食べしていくうちに、汗がじんわり、胃は満タン。非チェーン店ならではの盛りのよさ、こういう店は、ありがたいな。


コロナ騒ぎで、神保町辺りでは老舗がどんどん店仕舞いしている。こちらはお孫さんもたまにみるし、自宅兼用っぽいから、まだ、大丈夫かな


また食べにこよう。ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 310)生姜担担麺

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昼下がりのランチタイム。コの字カウンター越しに壁のメニューを眺めると、生姜担担麺をみつける。今まで見たことないから、新メニューかな。


注文したのち店内をみれば、店員さんの誘導で、みなひと席おきに座ってる。これも新しい風景だなと思いつつ、with マスクにて到着を待つ。


担担麺に、生姜。想像がつかないなぁ。カラダが温まりそうなのは間違いない。でも、到着した丼ぶりを見ても、ノーマルな担担麺と変わらない。


ここでマスクをはずせば、プーンと生姜の香りがたっている。ひと口スープを飲むと、粗く刻まれた生姜の食感が残り、口の中に広がっていく。


たとえは悪いけど、生姜焼きのタレを煮詰めたような、パンチのきいた味。いつもの担担麺なら、ラー油や胡椒をかけるけど、さすがに必要ない。


具はチャーシューとニラ、青梗菜としごくシンプルながら、食べでのある一杯。明らかに熱を帯び始める胃袋をジャスミン茶で鎮めていく。


ズルズル食べるとスープを飛ばす気がして、モソモソ食べる。でも、この辛みはそれでちょうどいい。向こうのお兄さん、ゲホゲホ言ってるし。


スープ完飲はムリ。お茶を飲み干し、汗をぬぐって、店を出る。あれ、涼しいなと思えば、マスクをしていないのに気づいて、慌てて着用する。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 309)自家製・かき揚げそば

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今日のお昼はパスタにしようとスーパーへ向かうも、ついつい開店したばかりで揚げたてのエビのかき揚げを買い込んでしまう。くっ、仕方ない。


家族にどう説明したものかと思いつつも、スライス九条ネギ、味つきお揚げさんなどを次々と買い物カゴに入れ、不退転の決意を強く固めておく。


家に帰って、ごくさりげなく「おいしそうなかき揚げがあったので、お昼はおそばにしたよ」とパスタからの方向転換を告げ、大鍋に湯を沸かす。


お隣りの雪平鍋で、パックのだしでツユづくり。だしがとれたら、醤油、みりんを適当に入れるも味が決まらず。うーんと悩んでそばツユを足す。


鍋がグラグラ煮えてきたので、乾麺を入れて時間通りに火を通してざるにあげ、蛇口の水で一気にしめる。八割そばだから、そば湯もとれてるネ。


丼ぶりにそば、かき揚げ、お揚げ、青ネギを盛りつけて、つゆをオタマで注ぐ。ずうっと鍋の横にいたのに、盛りつけると、一段と香りがたつ。


あとは、ズルリ、ズルリと食べていく。エビ天はプリプリ、野菜はサクサク。つゆの味が専門店ほど決まらなかったけど、上出来、上出来♩


家人も「おそばは温まるねぇ」と好感触。お揚げは甘く、ネギはシャリシャリ。カラダにもきっと効果的であろう、梅雨どきのおそばでした。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 205)自家製・無限ピーマン

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無限ホニャララ、というレシピをみかける。もやし、ピーマン、キャベツあたりの野菜が際限なく食べられる健康レシピ。ひとつ、試してみるか。


ピーマン5個。種をとって、縦に切る。油を切ったツナ1缶、顆粒の鶏ガラスープの素小さじ2、ごま油小さじ1を混ぜ入れて、レンチン2分。


なるほど、ブルワーカーで体を鍛えるくらい、まったく簡単だ。レンジの扉を開け、ざっとかき回して、粗熱をとりつつ味をなじませれば完成。


ひと口味見すると、ものの5分でできたとは思えない。熱が入りすぎず、シャキシャキ感の残るピーマンに感心する。なるほど、レンチンねえ。


フライパンで炒めると親の仇のように火を通すので、ふにゃふにゃ、クタクタ。風味はともあれ、歯触りがなくなって、残念に仕上げてしまう。


そもそも最近まで電子レンジ調理という発想がなかった。例えばおでんの大根もレンチンしておけば味がすぐにしみるらしい。文明の利器だなぁ。


付き合い始めが「親からの仕送りの冷凍惣菜を温める」だから、調理器具として電子レンジを意識するのが遅かった。考え直さないといかんなぁ。


この無限ピーマンは、ビールによく合う。ツナの旨味とピーマンの青臭さの対比が楽しく、家族の目を盗んで自ら平らげる。また、つくろうっと。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 308)中華そば

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ある晴れた昼下がり。買い物や掃除を終え、食べ損ねたお昼ご飯を求めて、近所の街そば店へ。ひと汗かいたので、まずは昼ビールと洒落こもう。


先客は常連風が一人。神棚のように鎮座するテレビの下に座り、メニューを眺める。冷やし中華もいいけど、ビールを飲むから温かいのにしよう。


小銭具合でチャーシューメンをあきらめて、普通の中華そば。瓶ビールはアサヒを選んで、お通しの冷奴をつまみつつ、テレビをながめる。


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いわゆる2時間ドラマだね、途中からみてもよくわからないナ。やがてきた中華そばの具をつまみに、瓶ビールをグイグイと飲み干してゆく。


このメンマ、塩っぱいのがビールにピッタンコ。何というか、ビアタンで飲むと、よりいっそうビールがおいしい。普段は缶ばっかりだしね。


スープを飲めば、ラーメンの原風景のようなやさしさ。どことなく、にんにくの香りがするのもいいな。麺がごく普通のストレート麺なのもいい。


ああ、こういうのがシアワセだなぁ。行列のできるラーメン店もいいけど、あれはフレンチのフルコースだよね。普段は、一汁三菜でいいのヨ。


お隣のテーブルでは、店のお姉さんたちがワイワイ賄いを食べている。こういうざっかけないのが嬉しいね。おなかも、ココロも、満タンだ。


ごちそうさまでした。


麺食らう(その 307)おろしうどん

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空調のききすぎたオフィスにいると、やはりお昼時はカラダが冷える。でも、温かいものを食べようと外に出ると、梅雨時のぬるい熱気を浴びる。


まとわりつくような湿気! ここは冷たいうどんなぞどうだろうか。キュッとしめられたうどんに

チベタイつゆ、そいつをツルツルいただこう。


で、おろしうどんを頼んだところ、やってきたうどんにはあったかいツユがナミナミと。そうきたか。たしかに、冷やしとは書いてないもんな。


おろし、というからには冷たいだろうという先入観があったね、反省。でも、店内もかなりエアコンがきいてるから、ちょうどいいやと箸を割る。


弾力にみちみちたうどんは喉越しよく、歯に力を入れると押し返してきてやがてプツリと切れる。手打ちうどんならではの快感に酔いしれちゃう。


粗く下ろされた大根の食感が楽しく、サクサクの天かすも嬉しい。これは何かと食べてみれば、トロトロで冷たいメカブが意外に温麺に合うのな。


大根の甘みがわかる淡麗だしは絶妙で、七味をかければ味変して2倍楽しめる。ズルズルっとすすれば、みるみるうちに丼ぶりはすっからかん。


こうなると、ほうじ茶が熱いのがうれしい。心頭滅却しても梅雨時のマスクはつらいけど、with マスクなこの夏を工夫して過ごさなきゃね。


ごちそうさまでした。

定食春秋(その 204)なめろうフライ定食

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すっかり揚げ物腹の昼下がり。黒板の定食メニューをみれば、見慣れない「なめろうフライ」の文字が。物珍しさにトンカツ、鳥からを却下する。


なめろうといえば、アジの刺し身を味噌や薬味とたたいた、おいしい酒のアテといった印象。生でイケるものをあえてフライに。実に楽しみだネ。


カウンターでずっと大声を張り上げてるオジサンが、私の注文が通るのを聞いて「なめろう? 揚げて食べるもんかねぇ」と、くさしている。


悪意なく、思ったことを言うタイプだな。目の前にメニュー考案者の大将がいるのにねぇ。まあ、そんなオジサンにはお構いなく、定食が到着。


見た目はなんの変哲もない丸いフライ。4つあるのでまずは何もつけずにサクリ。魚の旨味と大葉の香りで十分おいしい。こいつは大正解だな。


ふつうのアジフライがアジのステーキならば、なめろうフライはメンチカツっぽい。残る3つは、2個をソースで、1個を醤油で食べようかな。


先ほどのオジサンも、自分の定食が到着したから少し静かになったし、ゆったりと食べ進める。お昼ごはんはお気楽に、自由に食べたいよね。


こちらは和食屋さんだけに、味噌汁はダシがきいておいしく、ご飯もつやつや乳白色でおいしい。小鉢も、漬け物も、すべてが幸せの種なのだヨ。


大声オジサンとプラマイでややプラス。成功のランチタイムと言えるでしょう。いろんな経験するもんだ。店を出れば、夏の気配だ、すっかり。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 306)一風堂・特製赤丸新味

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久しぶりの一風堂。胸の高鳴りを抑えつつノレンをくぐれば「辛もやし、高菜、ニンニク、紅生姜の提供がない」とか。くっ新しい生活様式かぁ。


辛もやしをつまみつつ、オフのときはビールをガブリ、ラーメンを待つのが至福なのにぃ。画竜点睛を欠くが、致し方なし。世の趨勢に流される。


白丸元味、赤丸新味。いつも悩むけど、今日は辛みを求めて赤丸気分。高菜や紅生姜を入れられないぶん、具を豪華にすべく特製を注文しちゃえ。


到着を待ちつつ、改めてメニューを見れば特製は「のり、半熟煮玉子、チャーシュー2枚増量」とのこと。なるほど、胃液が唸りをあげるワイ。


νガンダムのフィンファンネルの如きノリを従えて、わが赤丸の到着。博多ラーメンは細麺だから到着が早い。まずはゴマをゴリゴり振りかける。


まずは何はなくともスープをゴクリ。うーんクリーミィ。この適度なとんこつ臭がいいんだよね。福岡出身にきくと、臭みが足りないらしいけど。


一蘭一風堂は観光用ったい」とか言い出すのヨ、九州男はさ。そうかも知れんけど、これで十分です。ま、お値段も観光用なのはツライけど。


硬めの麺がプチプチ弾ける食感が好きだなぁ。ハリガネなんてのもあるけど、あれは小麦感にあふれててなぁ。で、途中で辛みそを溶き味変する。


想定内ながら、刺激の強さにお冷のルイボスティーをガブリ。使い古した表現ですが、藤真が加わった翔陽のように、違った顔を出しやがります。


すると、キクラゲ、もやしも俄然元気になる。煮玉子は半熟とろりで、全体として調和しているねえ。ノリで麺を巻いて食べてもおいしいな。


とかいううちに、あっという間に麺はなくなる。胃液が喜びすぎるから、替え玉はガマンしておこうかな。汗をふきふき、再びルイボスをガブリ。


今度は龍に目を入れに来たいな。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 305)冷やし三色そば

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暑くなると、やはり冷たい麺が食べたくなる。明け方から寝苦しかった朝だと更なり。冷たいモンばかりじゃいかんけど、一食くらいはよかろう。


こちらでは、たぬき、きつね、山菜の3種の神器が待ち構えている。どれもおいしそうで、捨てがたい。すると全部盛りの「三色」しかないなぁ。


実際のそばをみれば、三色どころか、レインボーカラーと見まがうばかりの色鮮やかな盛りつけ。トレイをいそいそおし頂き、箸をパチリと割る。


ワサビをヘリにちょいとつけて、スルスルと溶かす。ワサビのきいたあたりのそばを持ち上げてズルリッ。朝の茹でたて、しめたてがおいしい。


自家製麺に濃いのつゆがよく絡む。夏が来た! と渡辺美里ばりに歌い出したくなるような、喉が喜ぶ爽快感。あぁ、今年も生きててヨカッタ。


たぬきはスナックのように、サクサクと軽い。

山菜はクキクキ歯ざわりよく、滋味あふれる。

キツネは甘〜く煮つけてあり、舌触り滑らか。


冷やし系に共通のキュウリ、錦糸卵、ワカメはいぶし銀のはたらき。もちろん、ネギや紅生姜もいい薬味で、つゆを飲み干す勢いで食べ尽くす。


いやー、ハイレベルかつお値打ちな食事どきでした。そば湯を飲むか刹那悩むも、汗をかくのがはばかられ、グラスの水をグイッといただく。


ごちそうさまでした。

麺喰らう(その 304)冷やし中華

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街に根っこが生えているような、風景になじんだ老舗の甘味処。お昼は定食も出すような和やかな雰囲気で、有名人のサインも数多く壁を彩る。


在宅勤務やら何やらで、とんとご無沙汰でしたが、訪ねてみれば変わらぬたたずまい。のれんをくぐり、メニューをみれば、冷やし中華がある。


どうやら5月からはじめてました。こいつぁいけねえ、初ガツオと初冷やし中華は旬が大事だぁねぇ。と私の中のエセ江戸っ子が声をあげる。


出てきたのは、絵に描いたような冷やし中華。去年も食べてるけど、こんなだっけ。個人店ならではの豊富かつ気まぐれな具材が魅力のひとつさ。


個人でやってる街中華やそば屋がどんどんなくなるから、こういうオーソドックスな冷やし中華は希少だよね。カラシを溶いて、いざ初もの。


固めの縮れ麺は歯ごたえよく、うれしい、たのしい、大好き! と心がはずむ。色とりどりの具材はどれから箸をつけたものか、悩んじゃうナ。


レタスは麺類に不足しがちな食物繊維がとれて嬉しいな。トマトもよく冷えとるね。中華クラゲをとれば、麺のように長くて、コリコリが面白い。


ハム、キュウリ、錦糸卵、ナルト、ワカメなどメジャーどころは、あえて麺とかき混ぜつつ、意識せずカオスな涼を味わう。デラ、ゼッピン。


甘めのつゆにカラシがいいアクセントだねぇ。ときおり口に飛び込んでくる紅生姜も嬉しいアクシデント。食べ終えて、つゆ、少し飲んじゃう。


ああ、夏の始まりだなぁ。ザ・冷やし中華をたくさん食べにこなきゃネ。今季初にふさわしい、シアワセのひと皿をありがとうございました。


ごちそうさまでした。