ランチを取り損ねた午後2時半、重いものは食べたくないけど、小腹満たしに何を食べたものか。
コンビニおにぎりでは少し物悲しいし、ひとりマックでハンバーガーという歳でもない。喫茶店で軽くサンドイッチかなーなんてウロウロしていると、中華そばの看板が眼前に立っている。
写真をみるに正調中華そばといった趣きだし、立ち食いスタイルのようだし、オヤツがわりにちょうどいいやと食券をポチリ。
店内は先客がひとり。この時間にお客さんがいるんだから、味も期待できそうだと、勝手に期待値を上げる。
食券を渡し、カウンターに陣取って待つことしばし。先客はさかんにレンゲでスープを飲んでおり、さらに期待値を上げる。
お待ちどうさま、の声に振り向いてラーメンを受け取ると、なんとも懐かしい感じ。
澄んだスープに黄色い麺が泳ぎ、ネギ、ナルト、メンマ、チャーシュー、ホウレンソウが陣形を組んでます。
おお、これこれ。ラーメンというより中華そば。なんなら支那そばの名がふさわしい。なんて言うか、チャルメラを吹いたおじさんがリヤカーで引っ張ってそうな勝手なイメージ。
いわゆる意識高い系のラーメンとは一線を画した、こういうのでいいんだよ系。なんにも争うことはなく、ラーメンに貴賎はない。どっちもおいしいんだよ。
さて、まずは丼ぶりを持ち上げてスープをひとすすり。鶏ガラとしょうゆ、わずかに浮いた油分で十分おいしい。この味の濃さなら、こんなもんかな、とコショウをパラパラふったところで箸を割る。
麺をスルスル食べては、具をつまむ。やわらかいメンマ、歯ごたえの残るホウレンソウ、彩りが加わるナルトを食べ進める。みじん切りされたこの手合いのネギは、意識せずとも勝手に口の中に飛び込んでくるので、いつの間にやらなくなっている。
秘蔵っ子のチャーシューを食べるタイミングは難しいけど、今日の気分は食後のデザート。ひとしきり食べ終えたあとのお楽しみ。
箸で持ち上げるとホロリと崩れるチャーシューは思った以上に肉厚でおいしい。こいつぁビールに合うやつだ、と確信するもお天道様が高いこの時間はさすがに自制する。っていうか、立ち食いラーメン店にそもそもビールなどない。
最後にもう一度丼ぶりを持ち上げて、コショウをきかせたスープをコクコク。塩分を気にして、ひそやかにのむ。
今度はチャーシュー麺、ライス付きにして、ミニチャーシュー丼をつくってもいいな、とか思うくらいの出会いでした。
ごちそうさまでした。