朝寝坊して、ブランチが少し物足りなかった休日の昼下がり。散歩がてら町歩きして、フラッと食べるラーメンというのは人生の醍醐味のひとつ。
そう、週末のわずかな時をつなぎ合わせて生きるというのは、浜省に限らず、おっさんの実感として大事だなーと思います。
なんというか、父親でもない、ましてや会社員でもない、あらゆるペルソナを脱ぎ捨てた少女 A というか、お客 A としての存在。気楽な自分。
さて、オヤツラーメンという甘美な響き。
店の外まで野生味あふれる豚骨臭のするこちらに吸い寄せられるように入店。セントラルキッチンではありませんゼ、という主張が好ましい。
こちらは最近よくみる、いわゆる家系ラーメンですね。駅ごとに、はオーバーでも学生街には必ずある気がしますね、フィールドワークの実感として。
家系といえば、濃いめの豚骨醤油スープに、大きなノリ、チャーシュー、ホウレンソウがのせられ、ライスとともに頰張るスタイル。
総本山といわれる横浜の吉村家は幾度かトライしたものの、行列に阻まれ断念。根性なしです。
なんていうか、行列して食べると、勝手に期待値が上がり、そのぶんおいしさを高めに判断しそうで。行列してまで食べてよかった、オレ、選択を間違わなかったゼ、的に。
いや、ラーメン博物館とか、行列しますけどね。なんなら浦安ネズミーランドだって覚悟はありますよ、ハイ。でも日常ではなるべく避けたい。
横道にそれました。
ともあれ、晩ごはんを考えると、ミニ(半玉)ラーメンくらいがちょうどいいかな。券売機をポチッとな、カウンターで到着を待つ。
いつもは混雑している店なのに、時間帯のおかげか客はわたし一人。しずかに太麺の茹であがりを待ちます。
やがてやってきたミニラーメンは、なかなかどうして大したものです。身体は子ども、頭脳は大人みたいな。大きなノリ、緑鮮やかなホウレンソウ、キシキシした食感のチャーシュー。どれも立派なもんだ。
スープをひと口。鼻の奥まで撃ち抜かれるようなゲットワイルドな豚骨臭。ここに卓上の揚げニンニクと刻みニンニクを加えて、完全体にする。くうう、仕事のない日のしあわせ。
太麺はモチモチで、スープの旨味とがっぷり四つ。なるほど、家系が流行るわけだね。濃い味つけはライスとの相性もよさそうで、オヤツどまりの本日、諦念に塗れる。
ズルズル、モグモグ、半玉だからあっという間に完食。ぬるぬるとスープを飲んで、グロス化したリップを紙ナプキンでぬぐって家路につく。
満足オブ満足。体重は重く、足どりは軽く、春は近い。
ごちそうさまでした。