今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 48)ソーセージそば

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立ち食いそばにも老舗がある。


ムックで紹介されるのは、小ぶりな一軒家の店舗が多い。チェーン店とは異なり、エッジのきいたメニューが特徴的。まあ、富士そばは攻めてますけどネ。


で、所用ついでに神田の六文そばへと。五差路に突き出すような店構えは、ランドマークとなっていてすぐにわかる。


この辺りはまつや、藪のようないわゆる名店もありますが、あえて立ち食い。それが舌バカ漢(オトコ)の本望なり。


そば屋は夜が早い。18 時半過ぎに店に着くと、すでに片づけが始まっている。「今日は天ぷらこれだけなんですよ」と案内されてネタケースをみれば、かき揚げとソーセージ揚げが 1 つずつ。


では、ソーセージいただきます、と告げて水を汲みにいく。何というか、他所で食べられないものがありがたいよね。せっかく来たんだし。


手慣れた手つきでそばを湯がいて、ものの数十秒でやって参りました、ソーセージそば。丼ぶりに一文字に横たわるそれは、威風堂々というのがふさわしい。


まずはソーセージをガブリ。実のところ、魚肉ソーセージですね。ギョニソ。魚と天ぷらの相性が悪いはずもなく、独特の歯ごたえのなさを楽しむ。ひと口食べて短くなったところで、どっぷりと全体をツユに漬け込む。


そうそう、はじめて来た店なんだからツユも楽しまないと。ジルジル。


うん、いかにも独立系の立ち食いらしい、ダシと醤油のグッときいた味。パラリと七味を振って、やわらか麺をすする。うまし。


あとは麺とギョニソを交互に攻めるのみ。正確には、麺、麺、ギョニソ、麺、ギョニソくらいの割合。みるみる空になる丼ぶり、反比例して満たされる胃ぶくろ。


後客はおそらく本日の大トリかな。どうもこうもなく、かき揚げを選んでおりました。


今度はもう少し早い時間に来て、そばの味だけでなく、天ぷらを選ぶ楽しさも味わおうかな。


水をグイッと飲み干して店を出る。花冷えで、春物のスーツでは足がスースーするなぁ。


ごちそうさまでした。