今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 26)銀鮭朝食

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抜けるような青空の朝、なんだかセンチな気持ちで和食気分になり、やよい軒に向かう。もう、卯月だけどネ。


券売機に居並ぶ3つの朝食メニューから銀鮭を選ぶ。朝ごはんに鮭、久しぶりだな。小っちゃなことだけど、ちょっと心踊る。


銀鮭、納豆、生卵、みそ汁、海苔。十六穀米のお供は必要にして十分。いや卓上にあるお新香を加えれば、十二分といえる。お代わりし放題の白米にしなくてよかった。食べすぎるところでした。


まずはみそ汁をひとすすり。ほのかなダシと味噌の塩梅がちょうどいい。具が少ないのをいいことに、お行儀ワルを承知で、納豆をよくかき混ぜてお椀に投入、納豆汁にする。


人っ気の少ない朝時間ならではのワイルドさ。納豆のタレぶんの塩分をカットする中高年の生活の知恵なのです。


さて、ご飯にこのまま生卵をかけると、どう見てもあふれ出るので、ご飯の喫水線を下げよう。


まずは、お新香をのせて海苔巻きにして食べる。細切りのお新香の食感と海苔の風味が合うこと、合うこと。回転寿司で流れてほしい一品でした。


そしてメインの銀鮭。鮭が白身魚というのはいつ聞いても不思議だけど、文字通りのサーモンピンクの彩りが食欲をそそります。端から食べ進め、小骨を力強く噛み砕き、砕氷船気分を楽しむ。


ようやく生卵の時間。醤油は控えめにひと回し。濃厚な黄身と、ぷるぷるの白身をそれぞれ味わえるよう、あえて雑にかき混ぜる小市民の知恵。


そうそう、卵かけご飯はついつい飲み込みがちなので要注意。でも、意識してよく噛むと、穀物の食感がいろいろで楽しいな。


残るわずかなご飯で最後のお楽しみ。鮭の皮でご飯を包む。サクサク、カリカリとした食感と濃厚な鮭の脂が絶妙なバランス。さすが水戸黄門も愛したという鮭の皮。


残す派もいるのはわかるけど、私は貰ってでも食べたい派です。さすがに外食ではしないけど。


最後に納豆汁を飲み干し、ゴクリと水を飲む。唇のぬるぬるを紙ナプキンで丹念に拭ってひと仕事終わり。なんだなんだ、朝から充実したもんだ。


… そして満腹のあまり、お昼は食べなんだ。


ごちそうさまでした。