今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 27)本日の海鮮丼+あら汁

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何かお目当てがあるランチタイムは、心穏やかである。会社を出て、店に向かい、無心に食べる。それだけ。そこには何のまぎれも悩みもない。


とはいえそんな日ばかりではない。


どこか重い身体を引きずって外に出たものの、信号待ちの間も何も思い浮かばない。食欲がないわけではないのに、カラダの奥底から情熱が湧いてこない。


なんとか店に入るも、今度は豊富な品揃えに圧倒される。疲れている日はそんなもんだ。


そこで助かるのが日替わり。仕入の都合で店がチョイスしてくれる日替わり。まあ週替わり、月替わり、季節がわりの店もあるけどさ。


さてさて、コの字カウンターの隅を陣どり、日替わりをお願いする。みそ汁をあら汁に変えられるようなので、そこは自分でチョイスしとく。


ひと回転した後なのか、客はまばらで、程なくしてやってくる本日丼。気力はなくとも、彩り豊かなその一杯に心はほぐれる。


まずはあら汁をゴクリ。魚の旨味がギッシリ。その余韻も消えぬまに、小皿にワサビを移して、醤油でといて丼ぶりに回しかける。マナーとしてはいちいちつけては食べるべきなのかね、これ。


マグロ、サーモン、ぶり、エビをご飯と交互に食べ、ややコリコリのイカをよく噛む。大葉もいい薬味だなぁと鼻に抜ける青くささを味わう。


要所要所であら汁を食べ、あとはネギトロとご飯が残るのみ。やわらか食感コンビを後回しにしたのは、おそらく後半戦は咀嚼に疲れているだろうという自分への労り。


よくやった、オレ。食べることこそ、元気への一本道だぞ。最後はお茶をゴクリ、口にとどまる海の香りを洗い流す。


ごちそうさまでした。