天気のいい朝、散歩に出ようと思い至る。なんというか、散歩後の朝ごはんはうまいのだ。朝ごはんをおいしく食べるための散歩。本末転倒な気もするけど、実にいい思いつき。
選択肢はさまざまあるなか、開放感を求めて多摩川を選ぶ。どうせなら歩いたことのない道を行きたい。知らない街を歩いてみたい、どこか遠くへ行きたい。そんな昭和生まれのサガ。
さて、和泉多摩川駅を下車すると、ラジオのイヤホンを差し込んで準備完了。自然の音も散歩のキモなので、片耳をあけておいたほうがいいネ。文化放送「ラジオのあさこ」がお供です。
河原にでると、バーベキュー禁止の看板が。生活感溢れるブルーシートもチラホラ。橋の下も南ちゃんが泣いていそうな感じで爽やかさに欠けるスタート。
とはいえ、少し川沿いをゆけば、視界がひらけてくる。左手には菜の花越しに遠く富士山を望み、風が吹くたびに桜並木から花びらが舞いあがる。何度か試みてナイスキャッチすると、すっかりご機嫌になりました。
周りをみれば、犬の散歩、ランニング、ポタリング、ウォーキング、サイクリング。単なる散歩は少数派ですね。のんびりと、年齢高めのリスナーリクエストを聞きつつ歩く。
抜けるような青空の下で「聖母たちのララバイ」。iPod では絶対に出てこない組み合わせの妙が楽しめるのがラジオのいいところ。
小唄の練習でうなるヒト、サックスの練習をするヒト、釣りに興じるヒト。朝の河川敷はオジサンたちのアミューズメントパークなんだな。
やがて京王多摩川駅に着き、小一時間の散歩も、ラジオ番組とともに終了。今年の初ツバメもみかけたし、実にリラックスできました。時間が早く、駅前のお食事処は開店前なので、麺を求め電車移動。
京王の新型車両にありつけて密かにほくそ笑む。コトコト揺られてようやくありついた朝ごはんはゴボウ天そば。ふわふわの衣とシャキシャキのゴボウの対照的な食感がおいしい。
熱々のツユも散歩で冷えた体にうれしく、思わずほとんど飲み干す。グラスの水をググッと飲んで、塩っ気を薄める健気なワタクシ。
ごちそうさまでした。