そもそも冷やし中華ってえのは、暑いときに一服の涼として求めるものである。
甘酸っぱいタレと、冷えた麺、色とりどりの具を、時にむせこみながらしみじみ楽しむものである。
なのに、グラグラと大鍋でお湯を沸かして麺を準備する自己矛盾。汗だくになって茹であげても、暑い日の水道水はたいがいぬるく、求める冷気は得られない。
さて、真夏でなくとも冷やし中華日和はある。ちょっと蒸して汗をかいた日は、色鮮やかなあの一皿が恋しくなる。
そこで、シマダヤ。流水麺のシマダヤ。
うどんやそばの安定感は言うに及ばず。西原理恵子の漫画にもあった通り、そこらの店よりおいしい。そんなシマダヤが冷やし中華に手を出した。
しかもタレ付、それも「ほぐし水兼用」。冷蔵庫で固まった麺は瞬く間に食べごろの冷やし中華になる。当たり前だけど、冷え冷えのまま。
お湯、いらない。水道水、サヨナラ。なんたるコペルニクス的転回。
タレのお味は、甘いだの、酸っぱいだの、しょっぱいだの好みが分かれるでしょうけど、私にはこれで十分です。
鍋いらずのメリットが大きすぎる。早めにタレを入れるとのびるので、麺のほぐしは各自に任せて盛りつけにかかる。
せめて盛り付けはパッケージを参考に彩りよく。麺で横着したぶん、ひと工夫してみるものの、所詮は週末クッキングパパの限界。
キュウリ、もう少し細く切ったほうがよかったな
トマト、かためで青臭くておいしいゾ
玉子、これくらいは自作。タレを吸うのがいいネ
チャーシュー、出来合いだけどいい歯ごたえ
エビ、カニカマ、彩りも食感も華があるヨ
麺をすすり、具材を食む。程なく皿がカラになると、ひと口、ふた口タレを飲む。思ったとおりの味の濃さに満足して、箸を置き、お茶を飲む。
今度は、ゴマだれのほうも食べてみよう。いや、食べねばなるまい。
ごちそうさまでした。