今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 64)冷やしコロッケそば

f:id:socius_lover:20190428100016j:plain


連休だというのに、悲しい宮仕えのサガで、いつも通り6時前に目がさめる。みれば妻も、洗濯や炊事など、いつも通りに動いている。


ゆっくりとコーヒーを飲み、いつもより 30 分遅れで家を出て、ふだん急ぎ足の通勤路の新緑を楽しむ。何もしないをするみたいな、贅沢な時間。


定期券があるので電車に揺られ、ターミナルまで出てみる。目的もなく空いた電車に乗るというのもまた、贅沢なもんだ。


すると、いつもは混み合う箱根そばがすいているので、ここぞとばかりに入店。ひとしきりメニューを見たあと、冷やしコロッケそばをポチッとな。


コロッケそばというのは1つのアイデアで、天ぷら同様に油分を足すことでそばツユに膨らみが出る。でもトンカツだと麺に対して固すぎるのだ。ちょうどコロッケがそばに合う。


まずは、たっぷりついてきたワサビをとく。器を傾け、ツユに浸しつつ、手際よく。開店間際だからか、ツンとした香りがいいネ。


そばをたぐれば、キンキンにしめられていて、素晴らしい喉ごし。ツユは濃いめのダシ系で、キュウリの青臭さをうまく包んでいる。

薬味としてはベテランのネギは安定のからさをもたらし、そばにまぶしては食べる。


そして、コロッケ。まだあたたかなコロッケ。えっオレ、そばに乗せられてるの?  と動揺を隠せないコロッケ。


おもむろにガブリ、おや、カレーコロッケ。そういえば箱根そばはそうだっけ。意外さにこちらも動揺を隠せないけど、カレー風味がいいアクセントになっておいしい。


ツユを吸ってもしっかりと形を保つコロッケは、ウスターソースよりも淡麗なツユに似合う。麺、コロッケ、麺、キュウリ、と食感を楽しむうちに器は空っぽ。


最後は丼ぶりに口をつけツユをゴクリ。ツーンとワサビがきいている。こいつは飲みきれんな、と慌ててそば湯で薄めて完飲。


いつもと似たような時間、場所でも人が少ないだけで風景として全く異なるな〜などと当たり前の感想を抱いて下り電車に揺られる。ひとりだけの無駄な時間による、ストレスの解消。


ごちそうさまでした。