今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 72)カレー南蛮そば

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カレーが食べたいとき、そば屋に行く場合がある。ココイチでも、印僑の店でもなく、そば屋。そう、カレー南蛮が食べたいわけですワタクシ。


こう、なんというか、トロミのついたカレー汁を飲みたい。なんならカレーの海に泳ぎたい、なんてかなわぬ夢を抱いているわけですワタクシ。


勇ましく歩みを進めてのれんをくぐり、大テーブルの一角に取りつくや否や「カレー南そば」とハッキリ注文。


カレー南蛮になるとうどん率が上がるのか、必ず確認が入るので、あらかじめ「そば」と伝えるのが小心者の生きざま。


この場合の南蛮とは長ネギのことを指すけれども、北海道の人は唐がらしを南蛮という。


さらに歴史の教科書では南蛮渡来のように、ポルトガル人、スペイン人を指す。たかが南蛮、されど南蛮、奥深いな。


そもそもにして、北狄、東夷、南蛮、西戎って中華思想からきた言葉だよネーとか思っているうちにやってきましたカレー南蛮そば。


ここで改めて浮かび上がる「カレー汁、思いがけず飛びます問題」。覚悟を決めての注文ながら、緊張は高まる。


そう、サラリーマンの大敵であるスーツへのカレー汚染を防がねばならない。そーっと距離を置いて麺を持ち上げ、手繰らずにもぐもぐ食べる。


うん、辛味もとろみも実に私好みのカレー南蛮そば。パラリとかけた七味も参画したスパイスの妙味を味わう。これって南蛮オン南蛮なんだねえ。


クタクタになったネギ、歯ごたえおいしい豚肉、風味をはかなくも主張するそば、そしてすべてをまとめるカレー汁。彦摩呂ならスパイスの東シナ海や〜とでも言うのだろうか。


ともあれ、あっという間の完食。口の中をヤケドするまでがカレー南蛮の醍醐味だナ。


しあわせな時間を過ごしたのち、丼ぶりを持ち上げ、とろみが弱った汁を飲む。ジワリ、汗ばむ。


最後に水をゴクゴク飲んで、一息つけば、心も体も爽やかさ、ぼくたち。ってひとり客だけどね。


ごちそうさまでした。