今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 48)酢豚定食

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春と夏の境目が年々ぼんやりしてきている。歳のせいなのか、温暖化なのかは知らないけど。いずれにせよ、季節の変わり目は体温調節が追いつかない。


ランチ気分もはっきりとせず、今日はガツンと肉を食べようか、いや野菜もとりたいな〜など秋の空のようにゆれ動く。いや、初夏なんだけど。


そこで酢豚。肉がメインなのに、野菜もとれる酢豚。パイナップル議論なんてどうでもいい。肉を食べたい、野菜もついでに食べたい。


やってきたのは漆黒のタレに期待値が高まるひと品。パイナップルの姿は見当たらないけど、湯気の向こう側には、天国がみえるゼ。


最初にするべきは餡の確認。箸先にチロリとつけてペロリ。酸味と甘味が絶妙なバランス。やるな、シェフ! 


お次は玉ねぎ、アチチッ。シャキッとしているのに火が通っていて甘みが強い。


そしてピーマン、苦味が絶妙に餡とマッチ。シイタケは旨味がすごい。タケノコは食感のアクセント。


食材すべてを包む濃厚な餡の実力たるや、想定以上。酸味、甘味、旨味、トロミの四重奏。パイナップル?  あんなの飾りです、偉い人にはそれがわからんのです


表面カリカリに揚げられた豚肉がゴロゴロ入っており、オカズぢからに満ち満ちています。


あえてレンゲで肉をすくいだして、餡ごとご飯にかけてみる。うん、これもうまい。


ついついハイペースで肉を食べてしまいそうなところをグッとこらえて、野菜ばかりを食べ進め、最後は肉だらけのランチ大会。くう〜しあわせ。


餡の甘味に飽きたら、つぼ漬けやキューちゃん、スープで舌をリセット。残り少なくなったご飯と肉を両にらみして食べてゆく。


肉に走りがちな野性を、理性で抑えて同時にフィニッシュ。


ひと汗かいた食後、グラスの水を飲み干しながら、春ときどき夏、といった季節感をいつくしむ。四季の国、バンザイ。


ごちそうさまでした。