今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 88)辛味噌麺

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暑くなると辛いものが食べたくなるのはなぜだろう。


空調がききすぎると発情を逃しちゃうとは西川貴教の言葉ですが、発情はともあれ発汗したいというカラダの主張なのかもしれませんね。


で、辛味噌麺。券売機の赤いビジュアルだけでは推察できませんが、通常の3倍は辛そうな期待。赤さは辛さ、間違いない。


店内は混雑しており、後客には入店を諦める人もしばしば。首尾よくカウンターの端を陣取って、時を待つ。


太麺だから茹であがりに時間がかかるのは覚悟のうえ。カウンターから厨房が見えそうで見えないので、スマホの写真フォルダを整理しつつ時を待つ。


さて、時は満ちました。やってきたのは赤い一杯。1枚しかない貴重なチャーシューを隅に退避して、いざいただきます。


スープをゴクリ。おおっ、辛い。望むところなんだけど、色からの予想、経験則での想定よりやや辛め。麺をすすると舌に辛さが残る。いい汗かけそうだナ。


麺を食べていくと水没しそうなホウレンソウをまず食べておく。スープに浸してはパクリ。


葉も茎も等しく辛味にまみれつつ、土のにおいのようなホウレンソウらしさがあって頼もしい。


しばらく食べたのち、あえて卓上の一味を幾度かふりかけ、自分との勝負を始める。勝者も敗者もない、誰も得しないタイマンです。


明らかにステージが上がった辛さに負けそうで、ノリや玉子を食べ終えたあと、ついつい水を飲む。甘露、甘露。


いちど口の中がさっぱりすると、再び辛さにまみれるとき勇気がいるのはわかっているけど、飲まずにはいられなかった、グラスの誘惑。


さて、お楽しみのチャーシューはホロホロと崩れるやわらかさなのに、歯ごたえはキシキシとしっかりしており、小ライスを頼んでおけばよかったと後悔。


ラー油の膜で冷めにくいスープを飲んでいると、丼の底からひき肉やタマネギが顔をのぞかせる。


にわかに水中探索がいそがしくなる。お宝発掘、でも辛い。つらいではない、からい。


有線放送だろうか、店内にはランバダが流れ、その情熱的なメロディがこの辛さと合っている気がしてほくそ笑む。さすがにスープは飲み干さず、自分との闘いを終える。


店を出れば、上はお日様ニコニコ、下はアスファルトからの照り返し、自分はカラダの中からホットホット、藤井隆状態。止まらない汗対策に、薬局でデオドラントシートでも買おうかな。


ごちそうさまでした。