お目当ての店に入れず、出遅れたランチタイム。
ふと見れば、いつもは混み合う人気店に行列がないので、運よく滑りこむ。お客さんの回転の具合かな、かえってラッキー。
さて、何を食べたものか、ノープランながらさっぱりしたものを求めてお造り膳をチョイス。週末近くに胃腸を休めようかな、と。
まずは赤だしで箸を湿らせ、ひと口ゴクリ。渋みと甘みが感じられる好みの味。七味をパラリと入れてさらに好みに仕立てる。
漬け物はいかにも自家製。キュウリをかじりながら、醤油皿にワサビを溶きシソの実をちらす。
美味しんぼでは、ワサビは刺し身の上にのせるもんだと言ってましたが、やはり旧来の陋習どおりが性に合ってます。
まずは甘エビ。尻尾を外し、醤油皿の上で頭を外すと味噌がたっぷり。以後の刺し身はエビ味噌醤油なわけで、ただただ、ありがたや。
出汁巻卵は、出汁のうまみがたっぷり。卵が甘い。ナスの煮浸しも、ナス本来の味をショウガが包んでます。
いずれもご飯の味方になるのに、まだまだお刺し身が控えているシアワセ。
紅白のマグロ、イカはさっぱり、ねっとりでそれぞれおいしく、大根のツマもサラダ感覚でペロリといただく。
そして、イクラ。しっとりとした舌ざわり、これはいいヤツだな。おせち料理以来の味わい。
お行儀ワルだけど、半分くらいに減ったご飯にのせてしまえ。そして、ガツガツ食べてしまおう。冒涜的なおいしさ。
いや〜、出遅れたときはどうしようかと思いましたが、桜花賞のシャダイカグラのように盛り返せました。たとえが古すぎるかな。まあ、結果オーライということで。
最後に冷たいほうじ茶をすすって嬉しく完食。何というか、ほうじ茶の香ばしさが似合う、定食ではなく「膳」を名乗るにふさわしいランチでした。
ごちそうさまでした。