今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 93)こく煮干しラーメン

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小学生の頃だったと思う。母親からお手伝いを言い渡されて、煮干しのワタと頭をとったもんだ。


あと、カツオ節をカンナみたいな削り機で薄〜く削った覚えもある。


化学調味料を好まない母にとって、ダシをとるのは日常であり、食事のキモであったのだろうナ。


ダシをとった煮干しは取り出すんだけど、カルシウムだからと、台所の隅で母が食べていたのを思い出す。


さて、そんな郷愁の煮干し。


煮干しラーメン自体は新宿の凪や調布のたけちゃんで、幾度か食べたことのあるジャンル。当然ながら魚介ダシがきいて、おいしかった思い出が。


さてさて、こちらの煮干しラーメンは青森名物らしい。


さっぱりが基本らしいけど、ちょっと濃いめの、こく煮干しを選択。まだまだ上のランクはあるようだけど、初見だしね。


程なくやってきたのは、香り高い一杯。何というか、思い出のなかの煮干しは昭和感にあふれ、ともすると貧乏くさかった。


でも、こちらはまったく異なる地位に登りつめた印象。いつコペルニクス的転回が起こったんだろうネ。


まずはスープをひと口。当たり前だけど煮干しのクセが強い。千鳥もビックリだ。


なんというか、コクなのかな。香ばしさもあるけど、ワタをとり忘れたような苦しょっぱさもある。


貧困な語彙で表現するならば、ただひとこと、おいしい。太麺がよくからみ、コキコキのメンマ、肉感しっかりのチャーシューもよく合う。


途中で一味をかけると、また趣きが変わって楽しい。スープの深海までたどり着いても煮干し、津軽海峡を味わうような(嘘)煮干し。


あとでノドが乾くのを承知で、スイスイとレンゲでスープを口に運ぶ。ラーメン屋に来たときくらいは、塩分上等じゃい。


とか言って、グラスの水をおかわりして、きもーち希釈してみる高血圧オトコ。


ごちそうさまでした。