夏がくれば思い出すのは、遥かな尾瀬などではなく、閉店したそば屋さん。冷やしたぬきが絶品で、そば湯までおいしくいただいた思い出。
個人店は、いつなくなるかわからない。仕方ないんだけど、みるみる選択肢が減っている気がする。
安心のチェーン店も好きだけどサ、どこも同じ街並みになるのもつまらないかな。
で、かつてのそば屋に居抜きで入ったラーメン屋さんを訪問。牛肉拉麵って書いてあるけど、鳥取あたりの牛骨ラーメンとは違うのかな?
ランチタイムメニューの面積の大半を占める、おすすめの蘭州牛肉拉麵を注文。
麺が細・中・太・平打ちから選べるようなので、平打ちを選ぶ。好きなんですよね、きしめん的な形状。
サービスのゆで卵を剥いているうちに、ラーメンさまのおなり。箸袋には「ハラル」とあり、なるほど、だから牛肉なのだと納得。中国の内陸にはムスリムも多くいますものね。
まずは透明なスープをそろりと。淡麗なスープは複雑な味わい。
八角らしき香りはわかるものの、中華の香辛料が少しずつ使われているのだろう。うーんひと口では言い表せないアルネ。
平打ち麺はすするごとにスープを巻き上げ、油断してシャツに辣油がはねてしまう。しまった。
気を取り直してゆで牛肉を食べる。厚切りのしゃぶしゃぶみたい。ポン酢が合いそうです。
先ほど剥いたゆで卵も忘れずに。そもそも鶏卵なのかすらわからないけど、箸で半分に割ると、黄身のまわりが灰色になってる、ほこほこのヤツ。
流行りの味玉みたいなとろとろもいいけど、ラーメンにはこういうのがいいよね。そうそう白身をスプーンにしてスープを飲むのを忘れてはならない。
全体に薬膳っぽい仕上がりなので、カラダにはよさそう。淡麗なスープに刺激が欲しくて、卓上の唐辛子を入れてみると、ピリリとした刺激が心地よい。
食のタブーの少ない日本でハラルフードを口にするなんて、国際化を実感。もっとも、タブーが少ないなんてのも実は私の思い込みかもしれない。ええっ、ニホンジンこれ食べないの〜なんてあるのかもしれない。
まあ、難しいことを考え過ぎると消化によくないので、絡みあう平打ち麺を解きほぐしつつ、麺をすする。
ふと、私のなかの面倒くさがりが叫ぶ「細けぇこたぁいいんだよ、うまければ」そのとおり。
麺を食べ終え、スープを 2、3 口。たぶん緑茶と思われるお茶をグイッと飲み干して席をたつ。店内は外国の人も多く、プチ異邦人気分が味わえました。
ごちそうさまでした。