「いいかい、学生さん。
トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。
それが人間えらすぎもしない 貧乏すぎもしない、
ちょうど いいくらいって とこなんだ。」
美味しんぼにしては珍しい名言にもある通り、トンカツというの日常ではなく、ややハレの日のごちそうなんだと思う。
しかし、松屋フーズのとんかつブランド、松乃家では、揚げたてのとんかつがリーズナブルに食べられてありがたい限り。寿司における回転寿司、天ぷらにおけるてんや的なポジションですね。
さて、いつも混み合う松乃家ですが、たまたま空席に巡り合ったので、チャンスを最大限に生かす。朝食抜きだったので、なんか、ガツンといきたいしね。
で、店前のポスターにデカデカと謳われたトンカツ茶漬けにしてみる。ひつまぶしのトンカツ版だナ。新宿のすずやで食べたことあったと思う。
さて、あとは空席に滑り込み、ひたすら呼び出しを待つ。どうやらご飯はおかわり自由らしく、次々と猛者どもがジャーに向かっている。やるな、者ども。
あいにく食券順とは相ならず、空腹を堪え、忍び難きを忍びつつ待つこと10 分ほど。やっと呼び出しがかかりました、いくぜ、トン茶!
まずは陣容を確認。ライス、薬味、海苔、トンカツ、漬け物、ダシ。
なるほど。食べ方を確認したくとも私の視界に、というか店内にはトンカツ茶漬けのポスターが貼られていない。
とりあえずは、小袋の辛子をカツにつけ、ソースをかけて端からパクリといきますかね。おっ、揚げたて。肉厚なロースがうまいな。
お新香は松屋のと一緒のがたっぷし。みそ汁がついてないので、ご飯のチェイサーがわりにちょうどいいや。私が好きな葉っぱ部分が多くて嬉しい。
ソース de カツ。
なんとも平凡ながら、ベストマッチな組み合わせなので、危うくこのまま完食するとこでした。5分の3まで進んだところで我に返り、荒ぶる心を鎮めてお茶漬けをセットする。
カツふた切れ、梅、ワサビ、ゴマの薬味類、海苔をセット、ダシをかけまわせば、完成です。
おお、ダシは永谷園のアレ的な色。好きなんだよねーアレ。っていうか、お茶漬け=アレ。
ともあれ、まずはズルズルとすする。おう、濃い目のダシがたまりませんね。
揚げたてのカツをツユに浸すのはどうなのかとも思ったけど、カツ丼はダシ卵でとじるし、なんなら天ぷらそばなんてのも大差ない。ありなんですね、揚げ物+汁物。
ここで梅チューブとワサビチューブがいい働きをしています。
ほどよい酸味と鼻に抜ける辛味、絶妙なバランス。さすがにトンカツはかきこめず、カツをもぐもぐ、ご飯をサラサラと食べ進める。
ふう、さすがに胃にズッシリきますね、揚げ物さんは。でも、サッパリ感とドッシリ感を併せもつトンカツ茶漬け、このお値段ならクセになるかも?
爽やかに店を出てポスターを見直すと、
(1)まずは定番ソースでいつもの美味しさ
→そうそう、美味しかった
(2)お好みでわさびや梅でさっぱりと
→あれ、オレ、茶漬けに入れてるな
(3)〆はこんぶ茶をかけ冷やし茶漬けで
→白菜の漬け物、ここにのせるのかよ!
と、途中から手順書とかなりずれた食べかたになっているではありませんか。
店内に貼っといてよ〜などという愚痴もありますが、わが食べかたに一片の悔いなし、あれはあれでおいしかったから OK!
…また、くるかもね。
ごちそうさまでした。