かやく、漢字で書くと加薬。かやくご飯なんていうように、ようは薬味、具材です。
で、ばくだんそば。なんでそんな物騒な名前なのかと調べれば、かやくが沢山だから、とトンチのような答え。ホントかな、でもそうだと楽しいな。
さて、今日のばくだんの材料は、納豆、オクラ、とろろ、ネギ、メカブ、お新香、温泉卵。7つの具材がこれからハーモニーを奏でるわけですか。
それぞれの味は脳裏に浮かぶも、渾然一体となったときはどうなるものか、楽しみだネ。
まずは器を傾け、ツユにワサビを溶く。こちらは珍しく小袋に入ったワサビです。この量なら全部使ってもむせ返ることはあるまいて。
さて、冷やし中華ならそれぞれの具材ゾーンごとに麺を食べますが、この場合は先に混ぜっ返したほうが良さげかな。納豆とか、固まりだもんな。
ざっくり混ぜたところでカオスを楽しもう。まずは、卵の黄身ゾーンかな、色で見当がつくね。
おっ、とろろゾーンは箸が重いな。粘りがいい感じ。ひきわりの納豆はよく噛まないと消化に悪いね。もぐもぐ咀嚼しなきゃね。
一方でメカブはあまり麺になじまず、メカブ自体をそばのようにすする。うん、磯の香りが素敵で、海が聴こえるようだナ。
オクラはどう食べていこうと、端に集まっていく。何というか、味噌ラーメンのコーンがスープの底に溜まるが如く。地道にコツコツと箸でつついて食べていく。
すると底のほうから、お新香さんがこんにちわ。そういえば、いたねえ、キミ。コリコリした食感が楽しい。
などなど食べていると、肝心のそばがすっかりなくなり、後に残るは大量のかやくたちと、濃いめのツユ。
認めたくないものだな、自分自身がいい歳なのに、ペース配分を誤ったということを! クーッ、ここにライスがあればばくだん丼の完成なのになぁ。
仕方なしに、箸の性能の限界をみる思いで残りを食べ進める。ウマイ、しょっぱい、コメ欲しい。巡る思い、動く箸、みるみる片づく器の上。
あらかた食べたところで、器に口をつけてサラサラと流し込む。パトラッシュ、なんだかとっても疲れたよ。箸を動かしすぎたんだ。
まあ、おいしければ、それでよし。今回の反省をいかして、今シーズン中にもう一回は食べに来よう。それだけの価値がある、このばくだんそばには。
ごちそうさまでした。