今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 65)牛丼並、玉子、味噌汁、お新香

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学生時代、牛丼といえば吉野家の並でした。


ちょっと財布に余裕があれば、並、玉子、味噌汁で 500 円。それが何より贅沢だったナ。考えてみれば牛肉自由化してから、そんなに経ってなかったんだな、あの頃。


さて、そんな郷愁も込みで朝の吉野家へ。定食類も増えたけど、吉野家に来たならば、牛丼一択。


いちおうメニューに一瞥をくれて「並、玉子、味噌汁、お新香」と贅沢の極みを注文。


すると、復唱は「Bセット、玉子つきですね」と。えっ、そうなの?  味噌汁、お新香はBセットなの?  


心中穏やかではありませんが、なぜだか冷静を気取って、ハイ、と答えるトゥーシャイシャイボーイなワタクシ。


こっそりとメニューを見直せば、確かにBセットなんだけど、いつの間にそんなことに。


むかーしあった吉野家 USA で並盛りが「ビーフボウル、レギュラー」だったのを思い出しました。


しっかしお値段をみれば、今回の注文で 600 円、30 年近く前も 600 円。いくら牛丼が庶民の味方だからって、そりゃ失われた 10 年然り、GDP も伸び悩みますわ。まあ、嬉しいけどさ。


さて、能書きはさておき、まずは味噌汁をかき回して箸を湿らせ、牛丼にとりかかる。


肉をよけ、ツユのついたご飯だけでひと口、ふた口。うん、それだけでおいしい。


お新香をポリポリ食べて口をリセット、お次はタマネギとご飯をいただく。


ここで肉を我慢することで、最後に肉ばっかりという夢の時間が過ごせるのだよ。で、紅ショウガで口をリセット。


さて、味噌汁をズルズルと飲む。なんか薄味。松屋の無料味噌汁に飼いならされているのかな、贅沢品だという思い出補正が強いのかもしれない。


さて、そろそろ肉をご飯とパクリ。うん、これこそ牛丼の醍醐味。


吉野家は肉の味も、脂身のバランスも、ほんとうに素晴らしい。松屋すき家もおいしいけど、牛丼だけは吉野家がスキ。


ここで、玉子に醤油をひと回し、牛丼にタラリとかけ回す。ここまではご飯がスクラムを組んでいたけど、玉子によって途端にまとまりがなくなり、あとは丼に口をつけてズルズルかきこむ。


お新香や紅ショウガをはさみつつ、キン肉スグルのように勢いよく食べ進む。


牛丼屋は男の戦場であり、オアシスでもある。咀嚼はそこそこに、力がみなぎる感覚を楽しむのだ。


ふう。久しぶりの、うまいの、早いの、安いの〜でした。また来る、きっと来る、なんなら定年退職の日のランチに来る。それが私にとっての吉野家


ごちそうさまでした。