今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 118)冷やしむじなそば

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冷やしそばは、店ごとのクセが強い。


ツユ、具材、器。温そばからの類推でははかれない変わり身を見せる。男子三日会わざれば刮目してみよ、あるいは夏の日の 1993 と言ってもいいだろう。


さて、こちらの冷やしはどれも四桁、強気の価格設定。充実ゆえか、あまり頼んで欲しくないのか。真相はともあれ、楽しみに待つ。


やってきた冷やしそばは、真ん中にパイナップルとミカンが鎮座しており、僕の知ってる子となんか違う。でも素敵やん。


そもそも、ソーメンあたりを思えばフルーツが乗っていようと違和感はないわけで、むしろ四桁の価格設定の理由があますところなく理解できたというべきか。


しいたけ、厚焼き卵、きゅうり、ナルト、紅ショウガ。


冷やしそばの必要十分条件を集めてみました、といったラインナップ。さらにシラタキはオリジナリティが高く、評価すべきだろう。


忘れそうになったけど、メインはタヌキとキツネ。そう、これ、ムジナそばなのよね。肝心の揚げ玉は揚げたてサクサク、油揚げは甘みがジュワーの丁寧な仕事。


もう、どこをどう食べても具材にあたり、冷やしそばを食べる喜びにあふれるひと品。


ミカンは自然と口に飛び込んできて、心地よい酸味で味を彩ってくれる。意外にも、合う、合う。


すっかり食べ終えると、最後には日輪のようにパイナップルが居残り。デザート感覚でひと口かじれば、ランドルト環のようになったネ。


ここでグラスの水を飲んで小休止したら、あとは一気に食べ終える。


ふう、思いがけずお腹いっぱいになりました。嬉しい不意打ちじゃわい。


ごちそうさまでした。