今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 126)スガキヤ特製ラーメン

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ご当地ラーメンは数多く、このご時世、その多くは都内でも食べられる。


札幌、喜多方、博多といった大御所に限らず、ここで述べるのもキリがないくらい多士済々。


そんななか、ヒッソリと関東から撤退したのがスガキヤ。いやいや、待て待て、スガキヤはご当地ラーメンなのかという異論もあろうけど、聞く耳はもちません。


かつてスガキヤは町田のダイエーとか、関東にも何店舗もあった。


しかし、サプライチェーンの失敗なのか、早稲田通りと明治通りの交差点にあった店舗が 2006 年に撤退して以来その灯火は消えた。


名古屋発のサークルKではしぶとくカップ麺を取り扱っていたものの、サークルKもすでにファミマ。たまに品ぞろえの良いスーパーで袋麺が売られているくらいに成り下がった。


立てよ国民よ!  スガキヤのない生活など、ありえない!  と演説を打ちたくなるけど、残念ながら中部民(一部関西)以外の心はつかめまい。くうう、人類すべてに叡智を授けられないものか!?


そんなスガキヤに飢えた日々。魚介系のラーメンをすするたびに、スガキヤ愛が隠せない毎日。同じ中京圏発の CoCo 壱がうまくやっていることに嫉妬すら覚える昨今。


で、名古屋に行く機会があったので、一目散にスガキヤ。朝 10 時の開店後しばらくで飛び込んだのに、すでに先客が。なんだ、この愛され感。


何はともあれ、久しぶりのスガキヤ。ここは肉、玉子入りの特製ラーメンを食べねばなるまい。ほんとうは、かやくご飯も食べたいところだけど、年甲斐を考えて自重。


特製ラーメンは 450 円、今どきワンコインなんだからやはりお値打ち。高校の頃、特製ラーメンが高嶺の花だった頃でも 320 円くらいだった記憶があるから、大して値上がりもしてないネ。


ちなみに、名駅こと名古屋駅の地下にある寿がきやは、屋号が漢字であることからもわかる通り、別ブランド。ややお高い高級路線なので、スガキヤ食べたい欲は満たされない。


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さて、実食。スガキヤ名物のフォーク付きスプーンが懐かしい。いつの間にやら、右利き専用ではなく、左右どちらでも使えるようになってるよね。


麺とスープを同時に扱える機能性は、二ューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターのお眼鏡にかなって、彼の地で展示されているとか。


そんな先割れスプーン、当然レンゲに使うのみで、基本は箸で食べる。それが大勢だと思う。


まずはコショウをフリフリ、魚介豚骨スープをゴクリ。ああ、おいしい。スガキヤ味としか言えない独特の風味、飼いならされていると言えばその通りで、これがサイコー。


麺はどうってことのない、黄色いヤツ。それがスープをまとうとグンと味わい深い。クセのなさがスープをひきたてるんだな、たぶん。


チャーシューは小ぶりになった気がするけど、そのぶん厚くなったかな。メンマは相変わらず。おや、たまごは温泉玉子になったな。どれもおいしい。


思い出補正こみで言ってますけど、これは1つの様式美であり、朝っぱらから泣きそうになりました。


あっという間に食べ終え、例のスプーンでひと口、ふた口。名残惜しいけど、さすがに全部飲んだらアカン。余韻を残したくらいが、また、食べに来る動機づけになるしネ。


せっかく名古屋に来て、いろいろな観光の選択肢を排除してまで真っ先に目指すのがスガキヤ10 数年ぶりの店舗での一杯は、思い出を呼び覚ますものでした。


私がボケたら、スガキヤを食べさせてもらえれば、記憶がよみがえると思います。そんな、思い入れとともにスプーンを置く。


ごちそうさまでした。