今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 129)鴨南蛮うどん

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弱った胃をさすりつつ、街を歩く。朝飲んだ薬のせいかな、いまいち食欲がない。


そんなときの鴨南蛮うどん。蕎麦だと咀嚼しなさそうなので、うどんを選んで消化をよくする作戦です。


セルフの店とはいえ、鴨南蛮は高額の部類。武者震いしつつ食券をポチリ。


ほどなく受けとった鴨南蛮うどんは、花びらのようにしゃれた鴨の配置が微笑ましい。


繊細な盛りつけに高まる期待、まずはツユを匙でゴクリ。


ああ、鴨の甘い脂がしみ出て、絵もいわれぬお味。これこれ、この優しさが欲しかった。


バファリンは半分しか優しくなかったけど、こちらは全面に慈愛が満ち満ちてます。


うどんはコシだけでなく、モッチリした食感も大事にしたタイプ。人間なら「いいひと」って感じの、角張ったところのないおいしさ。よく噛んで、食べ進める。


さて、鴨の肉って、同じトリでも鶏より野趣にあふれてますよね。筋ばった食感といい、ザラッとした舌触りといい。


そう、ブロイラーとは違うぞ!  という気概が感じられます。むろん、ブロイラーも好きですが、ここは鴨に合わせておこう。


鴨にはネギが合う。これも自明なんですけど、改めて、うどんツユと鴨の脂にまみれたネギを味わうと、まさに奇跡のマリアージュ


梅に鶯、やすしにきよし、絶妙な組み合わせをみつけた先人に感謝。


わたしの配慮が伝わったのか、胃も多少元気を取り戻して、受け入れスペースを整えてくれてます。


助かるぞ、胃。五臓六腑の協力で、加齢と闘っていこうではないか。


さて、汗をジワリとかいてきたので、キンキンに冷えたグラスの水をゴクリの飲み干す。しばし考えて、半分ほどおかわりしてゴクリ。脂を流し込んで、涼を得る、一石二鴨な食事のフィナーレ。


ごちそうさまでした。