豚骨スープというと、白濁した博多ラーメンのスープが思い出される。食べると唇がテラテラになるコラーゲンたっぷりのスープ。
あれは沸騰させつつダシをとったからで、低温でじっくりダシをとると、透明な豚骨ダシがとれるんだとか。
豚骨というと醤油、味噌、塩のようなタレの分類っぽいけど、そうではない。昆布、鶏ガラ、煮干しのようなスープの分類なんだね、なるほど。
だから醤油豚骨も、味噌豚骨も、なんなら塩豚骨もアリ、なわけだ。
実際、横浜の家系ラーメンは醤油豚骨を名乗るし、喜多方あたりは何も名乗らず醤油ラーメンだけど豚骨スープだったりする。
で、こちらの店は、アゴ、煮干、昆布といった海の幸と、豚骨を合わせた合わせスープ。
なるほど、複雑な味わいが期待できそうです。それが私の舌に理解できるかは別問題だけどさ。
今どきワンコインの価格も嬉しいこちらのラーメン。生ビールを飲みつつ楽しみに待つ。
お隣りのカップルがチャーハンつついているのがうらやましいけど、あくまでオヤツだから、これ以上のボリュームはノーサンキューの無念。
さて、やってきたのは程よい色合いの一杯。ひと口飲めば、舌バカの私でもわかる、おいしいやつやん。
ニンニクチップで香ばしさと深みを加えれば、旨み王国が独立宣言する様相。
ビールにしみじみ合う。私の食事観の半分はビールに合うかどうかで占められてる気がするなあ。晩酌がいつでも飲めるくらいの健康を保っていきたいもんだ。
とかいいながらスルスル食べ進め、スープをアテにビールを飲み干す。やっすいシアワセをかみしめて生きていこう。そう思える醤油豚骨でした。
ごちそうさまでした。