今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 152)月見そば

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仲秋の  名月の朝  月見そば。


… ああ、月見そばって、あれでしょ、玉子入りのヤツ。おいしいよね〜。でも玉子を割るタイミングに悩まない?  難しくってサ、ツユが濁るもんで。


それに玉子だけだとお腹すくから、ついつい天たまそばにしちゃう。かき揚げに黄身をからめるとおいしいんだナ、これが。


な〜んてイメージ。立ち食い界隈ならば、正解。というより私の体感。


しかし、月見そばは実のところ、

1)黄身を月、

2白身を雲、

3)海苔を叢雲(むらくも)、

に見立てたものらしい。


見立ての美学、いかにも日本人っぽい感性ですな。


いやいや、そんなこたぁいいんだよ。玉子はトッピングの1つ、なんなら温泉玉子でもいいんじゃないっすか。


との立ち食い界隈の主張もまたわかります、むしろそちら派ですが、風雅とか風流には弱いのもまた人情。


で、連日の小諸そば

こちらは「月夜のばかしそば」という小粋なムジナそばがあることでも(私のなかで)定評がありますが、なんてことのない月見そばもまたお作法どおり。


まぁるく浮かぶ月には、うっすら白い雲がかかり、あたりには叢雲もみられる。うん、こいつはイイね。


七味をぱらり、まずは白い雲とともにそばをすする。とろとろになっていておいしい。ツユも安定のクオリティ、ほんのり甘い。


おっと、サービスのネギを入れ忘れてた。ホウレンソウとともに何に見立てたものかはともあれ、わずかな野菜も見逃さない中年マインド。


おっと黄身がだいぶ温まってきましたね、イイ半熟具合です。


ツン、とつついてトロトロの黄身をそばに絡め、ツユに浮かぶ月のカケラは匙ですくう。


海苔はひと口にパクリ、そばをズルリ。何というか、玉子そばではない、月見を堪能しているのだという気分。というか、自己暗示。


ともあれおいしい食事はあっという間に終了。咀嚼する具があまりないので、自らの早さに恐怖すしますね、大いに反省。


ごちそうさまでした。