食事というものは、何を食べるかも大事だけれど、どこで食べるか、誰と食べるかなんてのも味の決め手となると思う。
鉄版の隅に積まれていた屋台の焼きそばも、ダシの概念を忘れた海の家のラーメンも、シチュエーションが味を昇華させている、間違いなく。
で、今どこにいるかといえば、千葉と神奈川を結ぶ東京湾フェリーに乗船中。鋸山観光ののち、ちょうど時間が合ったので、そそくさと乗り込む。
さて、こちらのカレー。プラスチック容器に入れられた、学園祭で供されそうななんてことのないカレー。福神漬けの色もケミカルな印象。
まあ、日本のカレーはどこで食べてもおいしい。ブラックジャックも「ボンカレーはどうつくってもうまい」と言う通り、ハズレが少ない。
ご飯が多少ベタつこうと、具が乏しかろうと、辛味が好みでなかろうと、一定の閾値は超えている。なんてこたない、偉大なりカレールー。
前置きはともあれ、よこすか海軍カレー。古くは海軍、今でも自衛隊が毎週金曜日は洋上で曜日感覚を忘れないようカレーにするとか。
海を見つつ、空を仰ぎつのこのカレー、おいしくないわけがない。こうなるとプラスチックのスプーンすら格好の舞台装置だナ。
浜風を浴びながら食べてもいいけど、老体には堪える。すいているからテーブルを独り占めして、海を眺めながら食べよう。景色もごちそうだ。
いざ食べ始めるとザ・無難な味にスプーンが止まらない。夏祭り気分を味わおうと、飲み物もあえてコーラにしたし、楽しくて仕方ない。
サイドメニューに頼んださんが揚げは、アジのタタキを揚げたものらしく、横須賀と千葉を結ぶこの航路にこそ、ふさわしい。
いや〜楽しい。やはり食事は楽しいのがイチバンだな。家族とワイワイもいいけど、たまにはシチュエーションめしもいいなぁ。
ごちそうさまでした。