立ち食いそばはチェーン店が強く、個人店は世代交代できず閉店することも多い。あるいは駅前再開発を機に閉店、とか。
こちらは鉄道ガード下の独立系のお店。再開発の波をすり抜け、若いおかみさんと大将の2人で頑張っている。しばらくは安泰かな。
当然に券売機などなく、店内の貼り紙からイカ天そばを選択。イカもお高くなったときくので、食べられる機会に食べておきたい。
私の注文をおかみさんが復唱、それを横耳で確認した大将がそばを茹で始め、丼ぶりをサッと手際よく温める。茹だる間に切られるイカ天。
無駄のない所作は見惚れるほど。細いカウンターには、茹で卵やおにぎりなどのサイドメニューが所狭しと並べられ、誘惑に耐えるのに必死です。
出来上がりのそばを受け取ろうとすると「熱いですから」と置いてくれる。そばをすすれば、たしかに濃い目のツユはアツアツです。
イカはゲソではなく、身の部分ですネ。衣はフワフワ、身はサクサク、食べ応え十分でニンマリ。七味をかければ、アクセントとなって尚うまし。
おかみさんと常連風が、この前の限定そばが SNS で好評だったという話をしている。これからの個人店は発信力が大事だな、と心でうなずく。
後客は、顔をみるなりたぬきそばですね〜と調理が始まる。なるほど、人気の理由がわかる気がするな、と改めて感心。
見れば周りは平均 60 歳を超えようかという趣き。まあ、自分も同じ穴のムジナだな、とツルツル食べ進め、ツユを半分いただいて箸を置く。
おいしかった。常連になるにはちょっと遠いけど、また来たいなと思わされる店でした。末長く、お幸せにって思う。
ごちそうさまでした。