今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 114)中華丼

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中華丼は和製中国語で、そもそも彼の地には中華丼がない。つまり天津飯同様、それっぽいものをそれっぽくつくった、メイドインジャパン


まあ、逆に日本丼なんて言われても、何をのせたものか困ると思う。陶磁器がチャイナ、漆器がジャパンと称されるのとは話が異なる。


ともあれ、バラエティに富んだ肉野菜のうま煮がのっているというのが一般的な見解であろうし、それを期待して注文する。


麦茶を飲みつつ到着を待つ。へえ、ここはランチタイム喫煙可なんだナ。私は気にしないけど、やがて分煙や時間禁煙になるんだろうか。


さてさて、やってきました中華丼。「本物」がない分野なだけに、店ごとに、あるいは季節の仕入れの関係もあるのか、食材はバラエティ豊富。


レンゲで食べすすめつつ、本日のスタメンを確認。上にのってるのは、チャーシュー、ナルト、半熟の目玉焼き。中華気分が盛り上がるナ。


主役のうま煮には、白菜、ネギ、豚コマ、もやし、キクラゲ、シメジなどキラ星の如き面々が揃う。栄養バランスはバッチグー(死語)ですね。


半分ほど食べて、目玉焼きの黄身を割ればまろやか成分が溶けだします。おお、端っこの焦げた白身の香ばしさたるや! 思わず陶然とします。


チャーシューは味がしっかりして、ビールが欲しくなるくらい。途中スープ休憩をはさみつつレンゲを止めるなの精神でひたすら咀嚼する。


やがてトロミもうすくなり、目玉焼きの下だった部分からタマネギとニンジンを発見。終盤でのこの驚き、ニクイヤツだねエ。


ひと汗かきつつご飯をレンゲですくいあげ、残ったスープと麦茶をグイッと飲み干して完食。隣の席では紳士が一服しつつマンガを読んでいる。


なんてことない中華屋さんの風景がここにある。でも中華丼は本場にはないあるネ。


ごちそうさまでした。