今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 120)松屋の焼鮭定食(ライス小、牛小鉢)

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鮭が朝食やお弁当でメジャーなのは、塩漬けで保存がきくからだろう。コールドチェーンが発達するまで「日持ち」は大きな課題だったのだ。


お歳暮で塩鮭一本が送られてきた時代に育った私としては、鮭はやはり冬の食べ物。寒くなると粕汁なんかにして食べたいところです。


そんな冬のある日の朝げに、焼鮭定食を待つ。鮭は白身魚、身が裂けやすいからサケという(諸説あり)、水戸黄門は鮭の皮が大好き。


とりとめもなく鮭について思いを馳せていると、やがて番号札で呼び出され、トレイを受け取りに席を立つ。おっと、お茶も汲まないと。


さて、念願のお鮭さん。朝定食で供されるからには焼きたてではない、当たり前。でもなんらかの手段で温められた鮭は、実にふっくら。


ひと口食べれば、やはり塩っぱい。中辛くらいかな。この場合の「辛」は関西人の言うところの塩っぱいの意味ですナ。うん、ほんと裂けやすい。


ご飯をかきこみ、漬け物でサッパリ清涼感を得る。おっ、漬け物も季節がら白菜に変わったな。みるみるなくなる鮭とご飯。


ご飯を少々残したところで、牛小鉢をのせ、紅生姜をひとつまみ。前世で何か恨みでもあるかのように紅生姜をのせるのは、バランスがよくない。


ミニミニ牛丼を、パクリ、もぐもぐ。玉ネギだけつまんだり、ノリで巻いてみたり、味の化学反応を楽しむ。大人の時間だな。


で、残った「牛丼のタレしみご飯」を鮭皮巻きで食べる。おお、なんと贅沢な。これを贅沢と断言できる自らの清貧さに、なんか泣けてくる。


最後にちょっと冷めたお茶をすすれば、様式美のような朝食もお仕舞い。朝からお牛さまが食べられるなんて、イイ時代ですねえ(また涙)。


ごちそうさまでした。