おにぎりって、日常食べるものでしたっけ。たしか昭和のころは、夜食、遠足、ハイキングなどちょっとしたプチイベントのお供だったと思う。
それが、コンビニ業界の啓蒙と努力で、いまや手軽に、気楽に食べるものになりました。なんならおにぎり「で」いいや、なんて扱い。
そんなことを思いながらコンビニでおにぎりを選ぶ。いまや不動の人気 No.1 ツナマヨはセブンが始めたとテレビ番組で紹介してたっけ。
おかか、昆布、鮭、梅干しなどの古参に混じり、いくら、筋子、炒飯など新興勢力も多い。個人的にはしっとり海苔が好きだけど、見当たらない。
で、選んだのはツナマヨといくら。たくさん選択肢がありすぎると、もはや自らの意思ではなく、神のお告げに依って買ったような気がします。
さて、モーゼが海を割るようにペリペリと中央のフィルムを剥がし、さらに左右に切り分ける。いつの間にか各社この方式で統一されたな。
上からビニールを引き抜く方式はどこだったか、あれはやりにくかった。いずれにせよ、企業努力の成果でパリパリ海苔が食べられるわけだ。
さて、先ほど触れたテレビでは、工場に潜入してさまざまな工夫を紹介していました。なんでも海苔は歯切れがいいように穴を開けてあるとか。
ほかにも外はかため、内側はふわっと握る機械や、具材が真ん中だけでなく広く置ける機械など興味深い工夫がいろいろなされていました。
まずは、ツナマヨ、旨し。今では当たり前にみかけるけど、はじめて食べたときは何となく信用ならなかったな。生っぽいけど大丈夫かなって。
そして、いくら、旨し。生っぽさでいえばこちらのほうがよっぽどだ。昔は正月に食べるくらいで高級品だったけど、シャケが増えてるのかな。
パリパリ、もぐもぐと食事は進む。おにぎりの場合、ご飯とおかずの進行バランスを考えなくていいので、淡々と小津映画のように食がススムな。
途中でペットの緑茶を飲み、そういえばお茶だって以前は買うものではなかったなと気づく。見事に市場を生み出した商社に改めて感服する。
令和が終わる頃には、どんな世の中になっているものか。ワクワクするような、それまで生きてるのが確定と思うなんて我ながら図々しいような。
ごちそうさまでした。