ワンタンって、主食にならない。スープに浮かぶ頼りなげな三角といった印象で、あくまで添え物、だれかに主役は譲りますという立ち位置。
ではワンタンをおかずにご飯を食べられるかというと、そんなキャラでもない。ツルツルの生地にプリプリの肉が詰まっていても、あくまで脇役。
そんなワンタン観を覆すこちらのひと品。大きな丼ぶりになみなみ注がれたスープ、喉越しよい細麺に、丸々と威容を放つワンタンがゴロゴロ。
チャーシュー麺を抑えて一番人気だけあって、存在感は勝新ばり。もはやワンタンというか水餃子に近い。いやいやワンタンとして褒めなきゃネ。
まずはヒラヒラを食べ進め、まん丸のボール状にしてから、ガブリ半裁。こいつぁ前言撤回しなきゃならないかな、といった重モビルスーツ感。
何というか、ドム。線の細い旧ザクあたりとは一線を画す重み。出来合いの薄っぺらなワンタンによる先入観で判断してはいけないんだな。
生姜が感じられる風味はもちろんのこと、歯触りむっちりの肉団子としてのクオリティも確か。皮がスープをまとうのがこれまたニクイ味つけ。
反省しつつ、汗をかきつつ、5つ並ぶワンタンを平らげる。チャーシュー以上に肉肉しいワンタンですが、ご飯のおかずというより麺のお供かな。
ともあれアチアチのスープとワンタンのヒラヒラで口の中はパニック、軽いヤケドをお冷やで癒して箸をおく。また、食べたいな、主役ワンタン。
ごちそうさまでした。