行列に並ぶのが苦手で、足が遠のく店がある。こちらは開店のころ一度食べた切りで、どんな味だったか覚えていないけど、珍しく行列がない。
こいつはついてる、何かの縁だとのれんをくぐり券売機の前に立つ。こういうときは左上だね、大体の店で基本メニューが鎮座してます。
濃厚烏賊煮干中華そば(醤油)。えらく画数の多いメニューだけど、名は体を示しますね。ウキウキと食券を出してカウンターの調味料を眺める。
烏賊のいしる、穀物酢、山椒オイル。うん、こちらは名は体を示さず、だな。どんな味か想像もつかないナ。おいしいのは間違いないだろうけど。
店内の貼り紙をみれば、替え玉は最近はやりの和え麺らしい。その横にある、あられご飯=スープを注いでお茶漬けでどうぞってのも魅力的です。
ともあれ、中華そばに集中。程なくやってきた一杯は目も鼻も楽しませてくれます。まずはスープをレンゲでひと口、そして生玉ねぎを漬け込む。
烏賊の肝なのか、深みのある旨味に溢れてます。深海です。煮干のちょっとした苦味も心地よく、パキパキのストレート麺がそこそこ絡みます。
個性が際立つもの同士が見事に共存するもんだ。氷室と布袋、ジョンとポール、石橋と木梨、例えは難しいですが、絶妙なバランスですよ。
色あでやかなチャーシューがいいナ。きっと低温調理とかしたんだろうな。三つ葉やかいわれも香草代わりにいい仕事をしていますね。
そうこう食べるうちに、玉ねぎも透明に煮えてきました。甘みがあってシャキシャキおいしい。生よりはこれくらいのほうが好みなんだよネ。
さて、先ほどの調味料。いろいろ入れるとわからないから、ここは山椒オイルだけをタラリ。うん、風味がグンときわだつ、気がするな。
なるほど、人気店には理由があります。今度空いてるときは、淡麗スープにして、あられご飯でお茶漬けを食べたいな。いい再訪になりました。
ごちそうさまでした。