苦み走ったいい男、なんて言葉がありますが、苦味というのはオトナの味覚ですね。サワー好きなお坊っちゃまにはわかるまい、ほろ苦の世界。
いや、高倉健やチャールズ・ブロンソンじゃあるまいに、私が苦み走ってるわけではないけどサ。
年をとるのも悪くないと思える味、それが春菊。
まずは何はなくとも春菊天。朝イチは揚げたてでサクサクとした葉っぱは、どこかスナック感覚。うまいうまいと半分くらい食べてしまう。
ここで、オモテウラをひっくり返し、両面にツユを染みさせる。そばをズルズルすするうちに、フニャフニャになった茎部分をスルリと食べる。
残るは、春菊風味の苦たぬきそば。そばにもツユにも漂う春菊感。苦味走ったいい男には遠いけど、苦味は知ったいいオッサンにはなれたかな。
ごちそうさまでした。