盛り合わせ定食という響きにはロマンが詰まっている。刺身、フライ、シェフの気まぐれ。アタマに付くのがなんであれ、ワクワクが止まらない。
で、本日のフライの内訳はアジフライと白身魚フライ。白身魚ってざっくりだけど、日本人になじみのない名前だから、あえて書かないのかな。
カウンター席を陣取ればいい匂いに焦らされる。待つ時間もデートの時間のうち、なんていうからには、食事だってもう始まっているのだろう。
お隣さんは刺身、テーブルさんは鯛のカブト煮。次々と配膳される定食を横目に、私のフライがチリチリと揚がっている音がして、耳まで楽しむ。
さて、揚げたてのアジフライ。しかも2尾とはありがたい。まずは何もつけず、パクリ。衣のトゲトゲもさることながら、アジの旨味がぎっしり。
ご飯をかき込んで、ふた口めはしょう油、お次はタルタル、今度はカラシ、なーんて噛むごとに滲み出る海の香りに夢中で、ご飯がススムくん。
さて白身魚。タラやスズキならそう名乗るだろうし、ホキあたりかな。こぶりなのでタルタルをつけてひと口でパクリ、正体はともあれおいしい。
フワフワキャベツを要所要所で食べて、口をサッパリさせる。みそ汁、香の物、ヒジキの小鉢などご飯のお供が多くて、困るくらいの充実っぷり。
夢中で食べ終えたところでふと気づく。お茶がきてないや。カウンター奥の大将に直接頼んじゃったからだ。よくみれば、おしぼりも貰えるのか。
まあ、いいや。今さらお願いするのもなんだし、キャベツの残りをつついて席を立つ。おいしいは正義だな、オナカいっぱいだと、大らかになる。
ごちそうさまでした。