かつて明大前にあった喫茶店「とうほう」。今は再開発でなくなってるけど、あの界隈の学生にはボリューム、雰囲気込みで人気があったと思う。
食事のメインはスパゲティ。A セットは 100 グラム、B 200、C 300、Z 600のメニュー体系で、お好みのスパゲティに、ワンドリンクがつく。
学生時分はそれなりに量を食べたけど、挑戦したのは C まで。それでもかなりのものだった。バイト代の入ったタケシが Z を食べてたっけな。
お好みのスパゲティといっても、さすがに専門店だけあってカルボナーラ、バジリコ、ナポリタンのメジャーどころに加え、コンビーフもあった。
実家では食べたことのなかったコンビーフ。上京したばかりの田舎モンの私には、えらく都会的なメニューに映った。さすが大都会東京だ! と。
繊維質でホロホロの塩っぱい肉、アルデンテでくっきりした食感のスパゲティ、初めて目にするタバスコ、黒くて苦くて甘いアイスコーヒー。
ゲームテーブルに置かれたスパゲティをズルズル食べながら、取り止めもない話をして、腹ごしらえが終わると、雀荘ミスチョイスに向かう。
そんなセイシュンの食卓を思い出すコンビーフのスパゲティ。とうほうではキャベツは入っていたか定かでないけど、栄養を考えて加えておく。
クルクル巻いて食べれば、うん、おいしい。お店のは、もっと麺がピンとしていて、汁っぽさもなかった。こればかりは炒め技術の違いだな。
あの頃が懐かしいと思っても、実は平成初期なんだよね。バブルが抜けて静かになった頃。昭和は遠くなりにけり、いろいろ思う令和の初夏。
ごちそうさまでした。