すっかり揚げ物腹の昼下がり。黒板の定食メニューをみれば、見慣れない「なめろうフライ」の文字が。物珍しさにトンカツ、鳥からを却下する。
なめろうといえば、アジの刺し身を味噌や薬味とたたいた、おいしい酒のアテといった印象。生でイケるものをあえてフライに。実に楽しみだネ。
カウンターでずっと大声を張り上げてるオジサンが、私の注文が通るのを聞いて「なめろう? 揚げて食べるもんかねぇ」と、くさしている。
悪意なく、思ったことを言うタイプだな。目の前にメニュー考案者の大将がいるのにねぇ。まあ、そんなオジサンにはお構いなく、定食が到着。
見た目はなんの変哲もない丸いフライ。4つあるのでまずは何もつけずにサクリ。魚の旨味と大葉の香りで十分おいしい。こいつは大正解だな。
ふつうのアジフライがアジのステーキならば、なめろうフライはメンチカツっぽい。残る3つは、2個をソースで、1個を醤油で食べようかな。
先ほどのオジサンも、自分の定食が到着したから少し静かになったし、ゆったりと食べ進める。お昼ごはんはお気楽に、自由に食べたいよね。
こちらは和食屋さんだけに、味噌汁はダシがきいておいしく、ご飯もつやつや乳白色でおいしい。小鉢も、漬け物も、すべてが幸せの種なのだヨ。
大声オジサンとプラマイでややプラス。成功のランチタイムと言えるでしょう。いろんな経験するもんだ。店を出れば、夏の気配だ、すっかり。
ごちそうさまでした。