今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 318)むじなそば

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そば屋さんの暖簾をくぐり、むじな下さい、と頼むと「温かいのですか」と確認される。冷たいのも出ている季節だけど今日は温かいの希望です。


例年と違って、なんとなく夏になった気がする。甲子園予選、プロ野球のオールスター、ビアガーデン開幕など、季節のイベントがないからかな。


寂しいような、そうでもないような。淡々と、二十四節気が過ぎてゆくね。果たして「マスク」はいつの季語になるんだろうか、などと憂う。


さて、むじな。きつねは甘く炊いてあり、たぬきは揚げたてをのせるのでチリチリ音がしている。サジてダシを飲めば、甘みの強いいつものダシ。


ズルズルとそばをたぐり、途中で七味をかけて味変。彩りのホウレンソウが嬉しいねえ。ヒョイとひと口、青臭さを楽しみ、またそばをたぐる。


新しい日常なのか、いつも冗舌だった大将も静かに机を拭いている。定食類に手を広げない、昔気質の街そば屋さん。ゆっくり時間が流れるな。


むじなそば。たぬきときつねを両方味わえて、欲張りなのか、優柔不断なのか、はたまた贅沢なのかも。でも、メニューにあるとつい食べちゃう。


ごちそうさまでした。