カップヌードルは、できるだけ自然の中で食べるほうがおいしい、との仮説を立てる。家で食べるよりも公園のベンチ、あるいは河原、山あたり。
休日出勤の会社で食べるといかにも侘しく、その真逆を検証しようとの試みです。大自然のもと、ケミカルなラーメンを食べる背徳感も楽しそう。
ケトルで湯をわかし、保温水筒に入れて、リュックに詰め込む。行き先に迷ったけど、最初だし、間違いなく不要不急の用件だし、近場にしよう。
まずは公園のベンチかな。家から遠くない環八沿いは意外に大型公園が多く、オジサンひとりでラーメン食べていても、誰も気にしないだろう。
で、久しぶりに砧公園へ。キヌタ、都民でも皆んな読めるわけではない難読地名です。同じ敷地に美術館もあって歩くだけで気分がいい場所です。
昔はゴルフ場だったので敷地は広大、かつてのティーグランドからの眺めも爽快。雲がなければ気分はいいが、暑くなりすぎないからこれでよし。
で、ベンチを見つけてカップヌードルの準備。熱湯ではないので、3分半待ってフタをあける。当たり前だけどいつもどおりの景色が広がる。
箸で突き崩して麺をズルリ、スープをゴクリ。昭和から連綿とつづくこの味こそ、アイデンティティ。健やかなる時も、病める時も、不変なり。
いつものクセで、スマホ見ながら食べるとこだった。目に染み入る緑、雲間からさす煌びやかな日光、すべてを飲み込む土の色、すべて味のうち。
セミの声を聴きつつ、ズルズルすする。塩分が気になるけど、残すわけにもいかず、スープを飲み干す。まあ、よく歩いて汗をかけばいいや。
あとは気ままに園内散策。23区内とは思えぬ吊り橋を渡り、花見スポットにもなっている桜並木沿いを歩けば、やがて公園の西端へとたどり着く。
道を挟んだ大蔵運動公園をゆけば、前回の五輪の碑が建っている。何もなければ、今ごろアメリカ代表のキャンプ地なんだよな、この公園。
しみじみ歩くうちに世田谷通りにたどり着く。汗ばむくらいは歩けたし、お昼ごはんでも買って、家路に就こうかな。午後はステイホームだ。
それにしても気まぐれで始めた「アウトドア・ヌードル部」、クセになりそうです。暑い時分は避けて、そのうち活動再開しようと思うのでした。
ごちそうさまでした。