今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 330)天ぷらそば

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天ぷらの花形は、エビ天でしょう。季節の野菜やキス、かき揚げもいいけど、押しも押されもせぬ主役というと、やはりエビをおいて他はない。


カニだの白子だの、エビ様より高級路線もありますけど、そのあたりはお財布の兼ね合いで縁がない。私の天ぷら主戦場は、主にそば屋さんです。


そば界隈で天ぷらというと流派がございまして。立ち食いならば、かき揚げ派の勢いが強く、わざわざ「エビ天そば」と言わねばならぬときも。


しかし、いわゆる街のそば屋さんならば、天ぷらそばといえばエビ天です。むしろ、かき揚げがない店も多い。この辺りのねじれ現象は興味深い。


で、老舗の街そば店は、昼下がりで客も少なく静かな店内はエアコンの音だけが響く。それゆえ厨房でエビ天を揚げる音がチリチリ聴こえます。


さて、やってきました天ぷらそば。勝手知ったるツユに七味をパラリ、箸を割ってそばをたぐる、旨し。濃いめの甘め、いつ食べてもおいしいね。


ここらで貴重な天ぷらをガブリ。アチチ、揚げたてでツユより熱いエビ天の尻尾からツユが飛び出す。ムチムチの衣とプリプリのエビが好対照。


そして、そばをたぐれば柚子皮の香りが。すごいよな、ほんのカケラなのに、全体に風味をまとわせて。ご機嫌なので今日は尻尾食べちゃうかな。


ふう、エアコンの下とはいえ、ひと汗かきますねえ。油ものに負けない若さのうちに、天丼食べておこうかな。またひとつ、楽しみが増えました。


ごちそうさまでした。