今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 363)玉子とじそば

f:id:socius_lover:20200901123938j:plain


月見そばは美しい。満月に見立てた黄身と、雲に見立てた白身、のりは叢雲を表現する。枯山水にも通ずる、日本の見立て文化、ワビサビの一杯。


ところが食べてみれば、白身でつゆが濁り、黄身を崩すタイミングに悩み、食べ終えたのちにつゆ全体に広がる玉子に後ろ髪ひかれる。


立ち食いならば、ちょっと温まった白身をツルリと飲み込み、黄身をアルデンテにしてそばに絡めて食べますが、今日はそんな作法も面倒な感じ。


そこで、玉子とじ。散逸する黄身や白身にとらわれず、まとめてしまえの精神、潔し。ひと手間かかるからか、立ち食いではあまり見ないけどね。


さて、やってきた見目麗しい一杯。ダシの香りに海苔の香りが加わって、待ちきれない、たまらないですね。まずは、彩りの小松菜をシャクリ。


お次はそば。適度に熱の入った玉子とともにスルスルかきこむ。これ、オム日本そばなんだな、と気づいて楽しくなる。食事は楽しいのが一番ヨ。


ダシを吸ったお麩、ムチムチのかまぼこをいただき、途中で七味で味変。全体的な甘いムードをたちきり、体温がさらに上がる感じ。たまらんね。


食べ終えると、結局ツユに浮かぶは玉子の破片。サジですくっては食べるも、全回収とはいかず。ともあれ、免疫力の上がりそうなおそばでした。


ごちそうさまでした。