和風中華そば。よくよく考えれば、名前が矛盾している。矛盾でなくともひねくれている。名古屋名物・台湾ラーメンアメリカンにも似たねじれ。
家系ラーメン店の外壁に賑々しくえがかれた各種メニューの隅に、ちんまりといる和風中華そば。いかにもザ・醤油ラーメンという色合いです。
濃厚なとんこつ醤油の家系ラーメンは、団体さんにひとり位苦手なひともいるかもしれない。そんな配慮なのかな。ともあれ、試してみよう。
カウンターに置かれた、ニンニク、生姜、ラー油あたりの出番はなさそう。太めだの、固めだの確認されずに、やがてやってくる和風中華そば。
スープをひと口、なるほど、和風ね。本格中華にありがちな、スパイスをカクテルした深みのある味わいではなく、鶏ガラのさっぱりスープ。
ナットクの和風だ。チャルメラ屋台で出すような昔ながらのラーメンに近いかな。家族で食べに来て、おばあちゃんはコレにするわ、みたいな味。
麺をすすると、熱いのなんの。このご時世、口から熱心にフーフーやるのもなんだから、少量ずつレンゲにミニラーメンをつくって食べてゆく。
チャーシュー、メンマ、ネギ、ノリのシンプル具材がおいしい。いずれも家系からの転用でしょうけど、スープが熱々なのでネギがよく煮えます。
途中でコショウをドバドバかけて味変する。これもいいねえ。これでナルトと煮卵があれば文句ないかな。まあ、煮卵はトッピングにあるけど。
普通に醤油ラーメンを名乗ればいいのに、店の看板の家系の醤油と混同するから、和風中華そばなのかな。チャルメラの音が聴こえる味でした。
ごちそうさまでした。