赤いきつねと緑のたぬき。きのこの山とたけのこの里。ペプシコーラとコカコーラ。雌雄を決さなければならない宿命のライバルたちがいます。
不思議なことに、立ち食いそばで食べるなら、圧倒的にたぬきそばなのですが、カップ麺だと赤いきつねを選んでしまうのです。なんかゴメン。
で、胃の調子もよくないし、罪滅ぼしをかねて、きつねうどんを食べる。江戸っ子御用達のそば屋さんなので、つゆは関東風の黒いヤツです。
うどんは箸で強くつまめば切れそうなやわらかめの茹であがり。シコシコの喉越し重視の讃岐や、黄金のダシが味の要の関西とは一線を画する味。
いわば、そば屋の余芸としてのうどん。あくまでメインはそばだから、うどんはこれくらいでどうでしょうという味。でも、これで十分おいしい。
タネはそばと共通で、味のしみたきつねは食べ応えバッチリ。くたくたに煮えたネギも、シャキシャキの青菜も、モチモチの蒲鉾も、文句なし。
個人的には、讃岐のシコシコ麺も、吉田のゴワゴワ麺も、名古屋のカチカチ麺も、伊勢のふわふわ麺もみんな好き。すべて麺類愛に包まれてます。
で、こちらのやわらか麺もバッチリ好き。七味をかけて刺激を加えて、スルスルと食べてゆく。関東風のつゆに染められるうどんもいとをかし。
などという間にすっかり完食。レンゲでいくらかつゆを飲んで、未練を断ち切る。ちなみに、冒頭の話に戻れば、きのこ派で、ペプシ派です。
ごちそうさまでした。