今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 385)すみれ風味噌ラーメン

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札幌ラーメンといえば味噌が定番です。特に有名なのが、純すみ系と呼ばれる、濃厚味噌スープに湯気が立たないほど厚い油膜が張ったタイプ。


そんな純連、すみれの一翼、すみれで修業したというご主人が、同じ材料でつくっているこちらはいわば半ばのれん分け。札幌体験ができるのダ。


カレーラーメン+ザンギ+ご飯セットに激しく惹かれながらも、初志貫徹で味噌ラーメン。食事前から近いうちにリターンマッチに来ようと誓う。


食券を買うと「お二階へドウゾ〜」と店員さんの声。ランチタイムだからか、店員さん、外国のヒトなのね。本店で修業はしてないよね、きっと。


ともあれ、限りなく札幌に近い味噌が味わえるのは間違いない。以前、横浜のラーメン博物館で食べておいしかったナ〜などと思い出を反芻する。


テレビを眺めて到着を待つ。厨房は一階なので、熱気がないのはちと寂しい。待ち時間も食事のうち、焦らされたのちやってきました期待の一杯。


スープは決して味噌汁の代替にはならない高潔な濃厚さ。箸を入れれば、油膜の隙間から湯気が立ち、味噌色に染まった中太縮れ麺がよく絡む。

 

メンマはもともとだろうけど、玉ねぎやもやしも味噌色に染まっている。麺をすすれば挽き肉が口に飛び込んできて、やれ、熱いやら、旨いやら。


唯一味噌に染まらない純白のたまごを割れば、黄身がとろーり。味噌味に支配された口の中がやさしくなる。しかし白身は徐々に味噌色に染まる。


油膜で湯気が出ないので、ずっと熱いままのスープ。この濃さは、ライスでも食べないと薄まらないな。でも箸も汗も止まることのないおいしさ。


札幌にも夏はあるけど、札幌ラーメンは冬の季語に決定。グラスの水を飲み干し、汗をぬぐい、油膜の張った胃を抱えて、ゆっくり歩いて帰ろう。


ごちそうさまでした。