そばとは、そば粉を含んだ麺類であり、立ち食いそばの小麦粉が多めの白っぽいそばでも例外ではない。あれはあれで、安くておいしいけどサ。
公取委によると生麺では3割以上そば粉を含まないと「そば」を名乗ってはいけないらしい。外食店はともあれ、市販の袋麺はそう決まってます。
で、問題は沖縄そば。伝統食である沖縄そばですが、本土に復帰するとその名称は使用禁止に。いやいや、それはないでしょうという県民の声が。
そこで公正取引委員会から特例をかちとり、沖縄そばはそば粉を含まずにそばを名乗っていいですよ、とのお達しが。失地回復、名誉挽回ですネ。
ちなみに全国製麺協同組合連合会によれば、公取が認めた全国の名産特産麺類はたった10品目。その10大麺に、沖縄そばは選ばれているのです。
札幌ラーメン、盛岡冷めん、甲州ほうとう、信州そば、名古屋きしめん、出雲そば、さぬきうどん、長崎ちゃんぽん、長崎炒麺、沖縄そば。
なぜ長崎だけ2つあるのか。オラが県の名物が入ってない、など疑問は尽きませんが、とにかく権威にも裏打ちされた沖縄そばをいただきます。
ツルツル、おいしい。カツオとトンコツのスープにヒラヒラの麺がよく絡む。青ネギ、紅生姜、角煮による色と味のコントラストもバッチリです。
沖縄そばをはじめて食べたのは、大学の頃、新宿の「やんばる」というお店。ラーメンともそばともいえない風味は、刺激が足りない印象でした。
それから20年経って那覇で食べた沖縄そばは、現地の空気と相まって、移住したくなるほど、おいしかったっけ。嗜好もずいぶん変わるもんだ。
おいしいものが食べられる胃腸があるうちは、長生きするのも悪くないかな。肉と脂にまみれた若い頃にはなかった、再発見があるに違いない。
ごちそうさまでした。