今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 283)カレー丼

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そば屋の丼ぶり物はおいしい。天丼、カツ丼、カレー丼、親子丼。どれも専門店にひけをとらず、たまに「ご飯売り切れ」があるのも味のうち。


そんなそば屋で、カレー丼を選ぶ。ダシにカレー粉を入れてとろみをつけただけ。インド人もびっくりのシンプルなカレーこそが、今日の気分。


具はシンプルに豚コマ肉とシャキシャキの玉ネギ。スパイスの香りよりもダシの風味がまさって、いかにも和風に仕上がっているのがいい。


ピリッとした辛さに、そばツユ由来の甘みが加わり、実に腑に落ちていきます。カレーがしみない底のご飯に、サジを駆使してまぶして食べる。


付け合わせが福神漬けでなく、キューちゃんと壺漬けなのがいかにもそば屋。キューちゃんの酸味と壺漬けの甘さが、和風カレーに似合います。


あくまで余芸でござんす、といった冷めたスタンス。だがそれがいい。家庭で作れそうで作れない絶妙な味こそが街そば屋の腕の見せどころです。


思えば、本格派と街そば屋の分水嶺は、丼ものの有無ではなく、カレー丼の有無ではなかろうか。本格派でも天重を扱う店は多い気がしますし。


本格派を語れるほど、本格派に出向いておりませんが、そんな考察をしつつキレイに完食。最後にちょっとぬるくなった番茶が、ゴクリおいしい。


ごちそうさまでした。


★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。