今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 496)かけなみ

f:id:socius_lover:20210317074320j:plain


かけなみ、なんていうと「綾波」だの「式波」だのエヴァンゲリオンを彷彿とさせますね。漢字で書けば「かけ並」。紛うことなき麺類補完計画。


関東風のだし&カエシのきいた塩っぱいそば。関西風のいりこダシが香る腰の強いうどん。気分によって朝食を選べるのは、この上ない贅沢です。


金沢はうどん文化圏なので、そばといえば、ざるそばか年越しそばくらいでした。寓居を得た愛知もきしめん文化で、そばとは余り馴染みがない。


学生時分はもっぱら学食、牛丼、マックでデフレを堪能しており、社会人になってからはじめて立ち食い系のおいしさに目覚め、現在に至る。


能書きはともあれ、信号が青ならば渡って向こうのそば屋、赤ならば曲がって右のうどん屋。疲れた頭を朝から無駄遣いしないため、運に任せる。


で、うどん屋。キュッとしめられた冷やうどんもいいけど、温かいダシが飲みたいので、かけうどん。食券には「かけなみ」の文字、実に潔し。


チリチリとした油の音、軽やかな天ぷらの香りに心揺さぶられるも、初心貫徹、シンプルに生きよう。ザブザブとうどんがしめられ、ご対面です。


かけとはいえ、サービス天かすがつくので実質的にはハイカラうどん。いりこダシに泳ぐ弾力のあるうどんを口いっぱいに頬張る幸せなひととき。


途中でおろし生姜を入れ味変。天かすにごぼう天のカケラを発見、うれしいな。油断すると口の中でうどんが真っ直ぐに戻ろうとするイキのよさ。


途中で噛み切るのが惜しくてなるべくツルツルすすりきる。麺喰いで知られる佐藤栞里も途中で噛み切らないな、などと思いつつひたすらすする。


やがて幸せな時間は過ぎさり、ダシに泳ぐ天かすを寄せ集め、丼ぶりを持ち上げ、グイッと飲み干す。今日はいい仕事ができそうな予感です。


ごちそうさまでした