担々麺はなんとなく食べるものではない。「担々麺を食べたい」という断固たる決意のもと食べるものである。あの辛さを体に取り込みたいのだ。
メインが決まればあとは些末なこと。胃の調子がよいので排骨をトッピング、なんなら辛さはスーパーホット。そうそう、野菜サラダもつけよう。
流れるように注文すると、先客に続き排骨担々麺が3連続。偶然の一致ですが皆さん若いですね。負けていられないと、サラダを食みつつ待つ。
やってきたのは、いつもにも増して赤いスープの担々麺。まずひと口、芝麻醤の甘みと旨みが鼻に抜けたあと、間髪いれずラー油の辛みがガツン。
ここで卓上のコーレーグスをふた回しほど。「お酒です」とのドライバーさん向けの注意書きがあるように、泡盛の風味と唐辛子の辛みが加わる。
お楽しみの排骨は揚げたて。サクサク、カリカリした衣に豚の旨みが詰まっています。端っこが特に食感よく、ライスをつけた先客を羨望する。
そろそろ麺をいただこうかな。スープの旨みを口に誘うべく、細麺がスープに泳いでいます。スルスルすすれば、旨み、甘み、辛みが鼎立します。
赤いスープには、補色である緑の野菜が映えますね。村上春樹「ノルウェイの森」の装丁を思い出しつつニラの匂い、青梗菜のサクサクを楽しむ。
途中でジャスミンティを飲んで口中をリセット、再び辛みと旨みのハーモニーに耽溺する。やはり食べたいときこそ担々麺、大満足の一杯でした。
ごちそうさまでした。