外食をしない家庭で育ったので、世間の食べものに疎かった。チャーシュー麺などは「あした天気になあれ」のアニメをみて、その存在を知った。
母は出来合いには何が入っているかわからないとの信念のもと、台所に立ち続けた。でも原理主義者ではなくジャンクフードも食べさせてくれた。
三つ子の魂百まで、ではないけど私の舌は母によって方向づけられたのは間違いなく、豊かな食体験を与えてくれた母には、やはり感謝しかない。
実家を離れ30年近く経ち、ジャンクまみれ、脂まみれの人生を送っております。せめてチャーシュー麺には、もやしくらいトッピングしておこう。
魚介の香りと豚骨の旨みが濃縮されたスープは、不思議とコショウより七味が似合います。中太麺をもやしとともにかき込めば、丁度いい味つけ。
まん丸のチャーシューは、脂のサシも美しい。ひと口かじれば、赤身の肉感と脂のまろみに酔いしれます。スープにつけこんで、温めておこう。
製麺所が経営するだけあって、プラセボ効果かもしれないけど、とにかく麺がおいしい。すするというより、食むという趣きでよく噛んで食べる。
ここでチャーシューを取り出せば、スープで活性化されて旨みがマシマシです。勢いよく食べたのち、セルフの水をおかわりして塩分を希釈する。
ジャンクなものを食べると、罪の意識とともに、野菜を食べなさいという母の口ぐせも思い出す。用は特にないんだけど、電話してみるかな。
ごちそうさまでした。