JR新宿駅の東口を出たら、椎名林檎の城である歌舞伎町を目前に地下に潜るとサブナード地下街に着く。西武新宿駅ユーザーにはお馴染みだろう。
で、その一角にひっそりと、無論ひっそりというのは私の心象風景だが、昔ながらの洋食屋・バンビがたたずんでいる。ただいまの気持ちで訪問。
かつて神保町や赤門前など学生街に多く展開し、お得でおいしい洋食で腹を満たしてくれた。サービスのコーヒー券がドル札もどきなのが思い出。
さて、久しぶりのバンビ。新宿という土地柄、学生よりは中高年の姿が多い。間違いのないハンバーグにひかれたけど、ドカン鉄板焼にしよう。
名実ともに若者向けなドカン鉄板焼。鉄板焼のスパゲティに生姜のきいた豚肉がのせられるフォーマットは、神保町名物カロリー焼と同じですね。
まずは、コンソメスープ。これこれ、このプレリュードがバンビなのよ。なんてことのない、小さなカップに入れられたスープをズルズルと飲む。
で、ドカン鉄板焼。なんちゃって鉄板ではなく、ちゃんと鉄板で加熱が続くのがうれしい。オジサンの心のなかに潜む野性が、少し顔を出します。
アチチ、黒コショウのきいた肉を放り込み、ライスをかきこむ。これこれ、これです、懐かしい。ライスが皿盛りなのが洋食屋の矜持ですねえ。
スパゲティはアルデンテなんか無視して、カリカリと鉄板に張り付くまでが味。焼きそば定食に比肩する、麺とご飯のハーモニーが舌で踊ります。
懐かしさ補正もあり、大満足。うれし恥ずかし朝帰り♪ なんて浮かれていた青春とやらを少し思い出す味でした。塩っぱくて、甘酸っぱいです。
ごちそうさまでした。
★しばらくは、お蔵出しです。