すき焼きは「ハレ」の食事である。給料日、お正月、お祝いごと…なんでもない「ケ」の日に食べるとバチが当たりそうなのが昭和生まれの男。
令和の世では信じられないが、牛肉は高嶺の花だった。例えるなら、吉永小百合が、牛肉オレンジ自由化により、AKB くらいは身近になった感じ。
そんなすき焼きが朝から食べられる幸せ。陣容をみれば、ご飯、味噌汁、すき焼き、冷奴、海苔。必要にして十分。確実な笑顔が約束されてます。
まずは玉子を溶き、肉をつけてパクリ。甘辛く煮つけられた肉に、淡麗な玉子の旨みが加わり、予想どおりのオカズヂカラ、ご飯を慌てて頬張る。
ここで味噌汁を飲んで、はやる心を落ち着かせ、肉と飯の世界に耽溺する。旨いの語源は甘いと言うけど、しみじみ共感できますよ、金田一先生。
肉を食べ終え、残る玉子とすき焼きのタレを混ぜて玉子かけご飯に。海苔を巻いて食べていけば、高級旅館の朝食の如し。行ったことないけど。
どうせ牛皿定食と同じでしょ? なんて思っていたけど、甘い味つけ、シラタキ、玉ねぎはやはりすき焼き。惜しむらくは、もう少し肉が欲しい。
やよい軒名物のダシ放題は今日は辞退。玉子のついた唇を丹念にぬぐい、食事の最後にちょっとぬるくなったお茶をゴクリ。心が満たされました。
ごちそうさまでした。
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