今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 337)鮭のハラス焼定食

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ヒトリメシ愛好家としてはメニュー選びの重点のなかで「早く出そう」が大きなウエイトを占める。どうにも手持ち無沙汰の時間が苦手なのだ。


待つ時間も食事の時間だと思うし、店内を眺めたり、腹式呼吸に努めたり、それなりに対処するけど、できるなら早く食事にありつきたいのです。


で、定食屋さんのカウンターに座り、黒板メニューを見やる。混んでるから揚げ物は避けようか、とはいえ刺し身気分でもないので、焼き魚かな。


さば塩か、鮭ハラス。刹那悩んで、鮭ハラスにする。ハラスって近年よく聞くようになったけど、具体的にはどこだろう。待ちながら調べるかな。


なるほど、漢字で書くと腹須。腹身のことをさすらしく、マグロでいうところのトロらしい。流通が発達したから、出回るようになったのかな。


さて、ハラス焼。当たり前だけど文字通りのサーモンピンクをして、シャア専用っぽい色ですね。しばし愛でつつ、ダシのきいた味噌汁をすする。


端っこをむしりとって頬張れば、脂の旨みが広がり、身は噛む必要もなく舌の上でほどける。慌ててご飯を食べれば、日本人でよかったと思う。


脂の旨みもこれだけ強いと寄る年波にはつらい。切り干し大根の甘み、大根おろしの辛みでリセットしつつも、ハラスの魔法にメロリンキュー。


おいしさのあまり、言語明瞭意味不明瞭に陥りました。白米のおいしい食べ方のベストスリーに入る鮭との組み合わせに、耽溺しております。


水戸黄門も好物だったという、鮭の皮。長い切り身なので、十分な長さの皮でご飯をくるりと巻いてパクリ。しみじみと香ばしさを味わいます。


ひたすら噛んで米の甘さを味わい尽くし、味噌汁で流し込む。おしぼりで脂をぬぐって、ぬるくなったお茶をグイッと飲み干す。ああ、シアワセ。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。