今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 591)ラーメン

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街そば屋のラーメンを無性に食べたい日がある。初心に立ち返る。言うなれば、水をたたえた田んぼの如き日本人の遺伝子レベルの原風景である。


昼下がりの買い物途中、入口脇にカブの止まるような、街並みに溶け込んだ店の暖簾をくぐる。大将と女将がテレビのクイズを見ているのが和む。


非チェーン店では、メニューを見るのも大きな楽しみ。壁一面の木札だけでなく、卓上のメニューには季節商品もズラリと居並び目を奪われる。


そば一般も充実しており、もつ煮そば、おでんそばが面白く、冬場に食べにこよう。ほかにも、きしめん、きしざる、ざる中華がオリジナリティ。


後客は鍋焼きうどんとこんにゃく田楽を頼んでおり、なんでもござれですね。決め打ちで注文したラーメンを待ちつつ、さらにメニューを熟読。


おや、丼ものが充実だね。玉子、カレー、牛、焼肉、開化、親子、カツ、天などの丼の部の末尾に天重、カレーライス、カツカレーライスなど。


街そば愛好家として、食べなきゃいけないという勝手な義務感がふつふつと湧いてくる、嬉しいお品書きだな。などという間にラーメンが到着。


シンプルな醤油ラーメンは、聴いたことないのに真冬のチャルメラの幻聴が脳裏によぎる一杯。具材はナルト、ほうれん草、メンマ、叉焼、海苔。


細ストレート麺をすすれば、さっぱりあっさりなスープが絡み、ノンストップで食べられる。作り終えるや、再びクイズに夢中な店員さんも素敵。


寅さんがふらっと帰ってきそうな、昭和の家族経営はやはり落ち着く。懐かしい、一家団欒を思い出させるラーメンを食べ終え、買い物に戻る。


ごちそうさまでした。


しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。